後編は、資産をつくる以外の利点も派生する「長期投資」について、コモンズ投信 代表 伊井哲朗氏の話を紹介します。

企業分析力がキャリアデザインに役立つ

雑誌などに発表される学生の人気企業ランキングの上位企業。実は、証券業界ではピークを過ぎた「遅行企業」だと言われます。かつての大企業やCMのイメージが良い企業がランキングの上位に並ぶためです。

自分の関心のある身の回りの企業に、株式投資をして少しでも勉強していれば、その実態を理解できます。「今度の新商品は凄く売れそうだ」とか、「最近、コールセンターや店員の方の態度が悪くなったなー」など実感としてその企業の調子も分かるようになります。そうした自分の印象と、株価の動きの違いに気付くことこそが、企業の見る目を養うことになるのです。

また投信に組み込まれている企業を調べることも、優良企業を見つける秘訣のひとつです。プロが財務状況や将来性などを分析し、選抜された株式(または債券など)で構成されているからです。

このように、投資によって景気や企業の状態を体感することは、自身や家族のキャリアデザインを考える上でも役に立つと、伊井氏は強調します。

保険は必要最小限・寄付は活動参加を

お金を使う、社会に還元するという意味で、最後に保険と寄付についても、意見を伺いました。

保険は「掛け捨ての保険を必要最低限入っておくこと」。例えば、子どもが成人するまでは、万が一の保証を厚くしておくなどです。「でも投資型の保険に入るのであれば、投資信託を買ったほうがお得ですよ(笑)」と伊井氏。

寄付については、関心のあるテーマを扱う団体があれば、まずその活動に参加することを伊井氏は薦めます。日本人は決して寄付に無関心なのではありません。むしろ関心は高いけれども、どこへ寄付をしたらよいかわからない、寄付したお金が何に使われているかわからないのです。株式投資も似ており、どこの会社の株式を買ったらいいのかわからない、投資後の株価や業績の変動をフォローすることが難しいという印象が強く、はじめることに躊躇してしまいます。

このため、寄付をする場合、単にお金を振り込むだけではなく、実際に自分が関心のある団体に参加することが肝心。参加すれば団体の様子がわかります。また、情報開示をしている団体を選ぶことも重要です。寄付されたお金が何の用途で使われているのかをチェックし、納得のいくレポートを出しているところへ寄付をします。

どんなお金の使い方でも、最も大切なのは、何のために使いたいのかという意思。明確な意思を持って能動的に自分で調べ、その上で納得したものに対してお金を出すというプロセスを、20代から積み上げていくよう意識していくことが大切です。それが、将来に向けて金融力をたくわえることにつながるからです。

プロフィール

伊井 哲朗 コモンズ投信株式会社 代表取締役社長&CIO
若い世代が手軽に長期で資産形成できる金融商品を提供したいとコモンズ投信を立ち上げる。大学卒業後、山一證券で営業企画部に約10年間在籍し、マーケティングなど担当。その後、機関投資家向け債券営業。メリルリンチ日本証券、三菱UFJメリルリンチPB証券で法人・個人向け営業を約10年。コモンズ投信創業と共に現職。2012年7月からCIO兼務。

http://www.commons30.jp/

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