売り手市場の昨今、『キャリアアップ』を目的に、我々のようなエージェントのもとに多くの方が転職相談に訪れます。ただし、「キャリアアップとは、具体的にはどんなことを指していますか?」と伺うと、実は明確な答えを持っていない方がほとんどです。既に専門領域を明確にお持ちの方にとっての『キャリアアップ』と、まだまだこれから身に着けていくヤング層の方にとっての『キャリアアップ』では、実はその言葉の意味する余地が大きく異なります。ところが、そこの認識がないため方向性が定まらない方が少なくないのです。

では、ヤング世代にとっての『キャリアアップ』にはどのような種類があるのでしょうか?大まかに考えてみると、以下の3つに分けることができます。

(1)経験できる領域の幅を広げる

営業から営業企画、システムエンジニアからプロジェクトマネージャーなど、今までの経験をベースに一段上流へいく、といったキャリアイメージであり、転職動機の王道ともいえるパターンです。

(2)今までの経験をさらに深める

営業から営業へ、SEからSE(アーキテクト)へ、といった同職種への転職がこれに当たります。スペシャリストへのキャリア、という言葉がマッチするイメージです。

(3)キャリアチェンジ

営業からコンサルタント、SEからコンサルタントなど、今までの経験領域とは全く異なる領域をコアスキルとするキャリアへ、軸を移していくケースです。『キャリアアップ』という表現を使うヤングの方も、よくよく伺うと、実はキャリアチェンジだということも少なくありません。

このため、すでに専門領域を明確に持つ人にとって、『キャリアアップ』という言葉は大抵(1)(2)を指し、(3)の意味で使われることはほぼありません。

(3)のような未経験領域への転職には相当の覚悟が必要です。また、今までの経験を捨てることによって年収・役職のダウンを伴うケースが大半です。けれども、未経験領域においても活かせる知識や経験があり、志向を叶えるためにキャリアチェンジが必要なケースもあります。その場合は、キャリアコンサルタントとしては迷わず転職をお薦めします。

(1)のケースは経験や年齢を重ねるにつれて徐々にチャンスが少なくなっていくことを意識しておいたほうがよいでしょう。キャリアの幅を広げる余地が少しずつ限定されていくためですが、この点も含めて自らの方向性を考えていくことをお勧めします。

まだまだ専門領域が確立されていないヤング世代の方は、むしろ(1)や(3)を含め幅広い選択肢を持っているともいえるわけですが、選択肢が多ければ多いほど目移りして悩んでしまうことも少なくありません。

キャリア設計の第一歩は、まず自分にとってのキャリアのゴールイメージをしっかり持つことといえます。そして、そのゴールイメージに到達するためにはどうすればいいのか、どの選択肢が自分にとっての真の『キャリアアップ』になるのかを考えながら、方向性を見極めていくことが、キャリア設計においては肝要なのです。

画像: (3)キャリアチェンジ

プロフィール
祝佑斗(いわいゆうと) アクシスコンサルティング株式会社 キャリアコンサルタント
飄々としたキャラクターで先輩キャリアコンサルタントとも対等に渡り合う若手のホープ。たまのプラネタリウム鑑賞が至福のひと時。

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