皆さん、はじめまして。アクシスコンサルティング株式会社の稲橋です。「自分のキャリアを転換する時」というテーマで、ナレッジワーカーの代表とされるコンサルタントを目指す方にフォーカスし、数回にわたってコラムを執筆します。

現在の会社での業務や働き方などに満足している方もいるかと思いますが、さらなる自身の成長を求めて転職を考える方は多いのではないかと思います。

ここでは次のキャリアとして、コンサルティング業界を考えている方にフォーカスしたキャリアの転換についてご紹介します。今回はSIerで働くシステムエンジニアの方がコンサルティング業界を目指すパターンを取り上げます。

コンサルタント業界、テクノロジーに詳しい人材求む

今、コンサルティングファームが積極的に技術系のバックグラウンドのある人を採用しています。

ターゲットは幅広く第二新卒クラスの若手から40歳前のシニア層まで。特にニーズが高い対象は20代後半くらいから30歳前半のコンサルタント・シニアコンサルタント・マネージャークラスです。大手のSIerだけではなく、その2次受け、3次受け企業の若手もターゲットに入っています。

これまで著者が転職をサポートしてきた、SIerに所属する技術系の方々には、コンサルタントに向く人もいれば、向かないと感じられる人もいました。そこで、ここではコンサルタントになる際の必須条件や、成功事例などを紹介しながら、コンサルタントで成功する人の特徴を探っていきます。

成功に導く5つの条件

自ら考えて行動する力

コンサルタントは、言われたことを実践するだけでは仕事になりません。自ら考え提案していく能力が求められます。例えば、あるSIer出身者は、買い物に行く時などプライベートな場面も含め、出会った様々な事象に対して「なぜ、こうなっているのか」「こうすれば、より良くなる」などと常日頃から自分でテーマを見つけて解を導き出す、提案する、という癖が付いていました。そして、その人はコンサルティングファームの採用試験で出されるケース問題も難なくクリアしたのです。

情報のキャッチアップ力

コンサルタントに対して、顧客はプロフェッショナルであると認識して質問をしてきます。例えば会計システムであれば当然、会計の知識を求められ、製造業のクライアントであれば業界の知識も問われます。ですから、たとえ未経験の業界であっても、いかに早く知識を吸収し、状況を把握して顧客と議論ができるようになるかが重要なポイントです。

黒子を厭わない

コンサルタントには、自分が勝ちたいというのではなく、黒子として人を勝たせたいと思える人が向いています。まさに、クライアントファーストと思える人です。コンサルタントとはつまり、クライアントが利益を上げる、ビジネスを拡大するといったことを支援する役割を担う仕事ですから、自分自身が儲けたい、目立ちたいというに人は向きません。

ドキュメント作成力

コンサルタントにとって欠かせないのが、資料を作るスキルです。このセンスのない人がコンサルタントとして成功するは正直、難しいと言えます。SEからコンサルタントを目指す場合は、入社までにパワーポイント等のドキュメント作成スキルをある程度インプットしておくことをお薦めします。

ずばり見た目

以上の事に加えて、実は見た目も重要です。お客様に対応するのですから、好感を持たれる服装、清潔感のある身だしなみなどは必須条件です。実際、「見た目を厳しく見ています」と明言するコンサルティングファームもあります。

適した転職のタイミング

それでは、どのようなタイミングでコンサルタントに転身するのが良いのでしょうか。

基本的には、システム構築における一連の流れを理解した後といえるでしょう。リーダーとしてシステム開発の経験があり、ある程度の人数をまとめてプロジェクトを回す経験をしていると、さらに活躍できる幅が広がります。

ただし、最近では若手のポテンシャル採用も積極的に行われているので、キャリアチェンジという捉え方での転職もあります。経験は少ないものの、市場の流れにのって、なるべく早いタイミングで転職するというのもひとつの考え方です。

コンサルタントという仕事の魅力

コンサルタントはハードな仕事ですが、魅力的な仕事でもあります。ひとつには、経験や人脈の幅が広がるという点です。顧客の経営、業務課題から入り込み、システム構築以外のソリューションを提供するという取り組みを通して様々な経験ができるからです。多様な業界のメンバーと協業するケースも増えますので、自ずと人脈が広がります。

年収は、SIerに勤めていた時よりも一般的に高くなりますし、実績を出していけば、大手コンサルティングファームでは30代半ばから後半でパートナー(共同経営者)になる場合もあります。

また最先端のソリューション開発にも関わることができます。コンサルティングファームが新しいソリューションを作り、それに追随してSIerがソリューションを提供するケースは少なくないので、SIerよりも早く最先端のソリューションに携わることができるわけです。

転職で覚悟しておくべきポイント

もちろん、良い面ばかりとはいえません。コンサルタントに転職した当初は、使われている言葉の意味がわからないことが多々あるでしょう。ケイパビリティ、クライテリア、エキスパティーズ、チャージ、レベニュー…など、とにかく「外国語」「略語」が多く使われるからです。(だからこそ、前述のように情報のキャッチアップ力は重要なポイントになるわけです)

労働時間が増えるという点も挙げられます。SIerも労働時間の長い環境ですが、コンサルタントはそれ以上です。コンサルタントとして一定の成功を収めると年収1000万円超も珍しくはなく、総じてSIerと比較すると高い年収になります。コンサルタント後のキャリアとして一般事業会社も視野に入れるのであれば、「年収が上がっても生活水準を同じペースで上げていかない」等の工夫が必要になります。

やっぱりSIerが良かった、というケースも

コンサルティングファームに転職しても、先に述べたメリットが確約されているわけではありません。例えば、アサインされた案件がSIerの時の仕事とあまり変わらない、あるいは下流の仕事だったということもあります。また周りのスピードについていけず、結局は離職するにいたったという例もあります。


実際、コンサルタントの仕事をしてみて「やはり、SIerがよかった…」という人も見受けられます。技術指向の人は、ビジネス領域のコンサルタントよりも、しっかりとサービスやソリューションまで落とし込むSIerで働くか、技術や実装に強みを持つコンサルティングファームで働くのが良いかもしれません。

ストレッチ案件でやりがいを感じる

最後に著者が支援した転職で、SIerからコンサルティングファームに移り、成功した事例を紹介しましょう。

その方は、非IT系のプロジェクトにアサインされ、いきなりM&A絡みのプロジェクトに入りました。客観的に見ても大きな転換したが、もともと本人が望んでいた仕事だったということもあり、経験したことのない領域に携れて非常にやりがいを感じていました。

総じて、SIerからコンサルティングファームへ転職した人は、ビジネス領域から顧客にソリューションを提供できるという点に価値を見い出します。クライアントの成功に向けて柔軟に知識を取り入れ、提案をしていくことに前向きな技術系の人には、コンサルタントはとてもやりがいのある仕事だといえるでしょう。

画像: ストレッチ案件でやりがいを感じる

稲橋広将(いなはしひろまさ) アクシスコンサルティング株式会社
中・長期的な視点で、常に市場価値が上がる転職をサポート。親身なアドバイスで候補者より高い支持を獲得。週末は子ども中心で3歳の娘と遊ぶのがなによりの楽しみ。

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