画像: 座談会:コンサルタントというキャリアの虚実〜単に頭がいいだけの人と、社会を変える人との分かれ目とは?(第3回)

第3回 末は教授か経営者、は本当か?〜コンサルタントのキャリアステップ

大学で教えるためには「論文」と「博士号」

藤元:この10年、日本でも増えてきた「コンサルタント」ですが、そのキャリアステップについては、どのような可能性があるでしょうか。

鳥山:私のように大学で教えることは、選択肢のひとつでしょう。大学には研究を続けてきたアカデミック教員と、企業で働いた経験のある実務家教員がいます。学生には実務家教員のほうが評判が良いですよ。給料は高くありませんが、若い人に教えるというやりがいのある職場です。

非常勤で教えた経験は実績としてあまり考慮されません。本気で大学で教えたいと考える人は、学会で論文発表をして博士号を取るべきです。採用を検討する際には様々な分野の教員が関わるので、最終的には査読付き論文の数と学位が採用の判断基準になります。

森:MBAを取得できる一橋大学大学院 商学研究科経営学修士コースや早稲田大学ビジネススクールには、コンサルティングファームのトップ経験者が教授陣として揃っていますよね。

鳥山:そうですね。日本の大学の状況を把握しておく必要もあるでしょうね。例えばITの分野は、日本の大学側がコンサルタントの受け入れ態勢がまだ弱いですね。

森: 技術版のMBAといわれるMOT(Management of Technology)もこれからですね。むしろ、理系トップスクールの経営/管理工学系大学院や、東京大学工学部 システム創成学科や慶應義塾大学の大学院システムデザインマネジメントなど良いところがいくつか出てきているかと思います。日本の理系の人が、社会課題についてもっと関心を寄せるようになるといいですね。あらゆる場面で日本はサイエンスが足りません。計量して分析することが日本では民間も大学も弱い。

藤元:日本の製造業の生産性は高まりましたが、サービスサイエンスは進んでいませんよね。サービス業はウォルマートなどのアメリカの先進事例を常に真似していればよかったからでしょう。

森:製造業はむしろ日本がリードしていたので、自ら改善して前へ進まなければいけなかったんですよね。

地方の優良企業の経営者という道

藤元:どのような業界から、コンサルタントのニーズはありますか?

伊藤:コンサルタントを採用できる業界は限定されますね。一番の要因は給料です。コンサルティングファーム出身の35歳を採用する場合、給料は通常1000万円を超えます。

SPAをてがける大手アパレルレベルになればコンサルタントの採用に積極的ですが、一般的には内資のサービス・流通・小売りの給与水準では採用は難しい。

藤元:地方の優良はどうでしょう?事業継承に困っている企業に社長として入る。

鳥山:潜在的なニーズはありますが、全てのコンサルタントが適しているとは言えません。

コンサルタントと経営者は同じ経営用語を使って会話をしていても、行動原理は相当違います。経営者はリスクを取るのが仕事ですが、そのリスクを取らせないようにするのがコンサルタントの役割です。
また、コンサルタントは自分がタダ働きをする程度のリスクすらも取らないのです。

コンサルタントも、経験を積むうちにリスクを取って決める覚悟を固め、一皮むければ良い経営者になるでしょう。

森:まずは社長室などで実績を出すのが良いかもしれませんね。
世襲の会社にアドバイザーとして入り、社長は会長で残るという体制も上手くいくかもしれません。コンサルタントには、二代目と仲良くなれるタイプの人が多いですからね。

画像: 地方の優良企業の経営者という道

年齢と年収のせめぎあい

藤元:コンサルタントが独立すると、どのような仕事がありますか。

伊藤:コンサルタントとして独立した場合、50歳を過ぎて特にこれといった強みが無いと、仕事は減るケースが多いですね。しかし、自分で営業できる人は年令に関係なく仕事があります。そのあたりを意識して将来像を描きながらチャレンジしていけば可能性も広がるでしょう。

森:長年働いたコンサルティングファームを辞めた後、大学などの教職以外には、フリーのコンサルタント、あるいは事業会社でビジネスをリードするという選択肢もあります。単に社長になりたいだけであれば、雇われ社長になったほうができる範囲も広く、大きな事業を動かせます。

私個人の関心でもあるのですが「社会的なインパクトをどれくらい与えることができるか」ということが大切だと思います。会社に数億円を儲けさせたことより、社会的に影響のあるEVのようなイノベーションを生み出せるかどうか。それを実現できる可能性があるなら、挑戦すればいいと思います。

藤元:意思と意欲の高い未成年の若者の事業計画と、コンサルティング経験者のストーリーが美しい事業計画があった場合、どちらを選びますか。

森:両方兼ね備えているほうがいいですね(笑)。選ぶとなれば前者です。ローリスクローリターンのほうが試しやすいし、やり直しも利きやすい。

藤元:コンサルタントであれば、CXO的な役割で経営者のヴィジョンをサポートできますよね。

伊藤: CXOのサポート的な役割を期待してコンサルタント経験者を積極採用している企業も多いです。募集年齢は企業によって異なりますが、35歳~40 代前半位が多いですね。

コンサルタントの場合、年齢が上がると年収も事業会社との乖離が広がります。例えば、40歳のコンサルタントであればIT系で1500万円くらい(シニア・マネージャー)の年収ですし、戦略系だと2000~3000万円くらいです。事業会社への転職はコンサルタントが事業会社側に合わせて年収を下げられるかどうかも鍵になります。

ただ事業会社への転職を希望してくるコンサルタントの多くは、転職理由が明確ではないのです。でも「いやなこと」ははっきり言う。「金融とITはいやです」とか(笑)。事業会社へ移る動機が明確ではないから、年収も柔軟に対応できない。

藤元:事業会社に入って、成功するコンサルタントの特徴はありますか。

伊藤:意外かもしれませんが、安定志向の人は事業会社へ移ると失敗するケースが多いです。上手くいっている人はチャレンジングな人ですね。採用する企業としても成長戦略を実現するなり、何かを変革するためにコンサルタント経験者を採用するわけですから。安定を望むのであれば、最近ではワーク・ライフ・バランスが取れたり、定年まで働けるファームもあるので、今までの経験をそのまま活かせるコンサルタントのままでいたほうがいいと思います。

森:外資系企業を渡り歩く「外資回遊系」の人もいますよね。

伊藤:人気があるのはGE、P&Gなどの外資系企業です。しかし採用人数も多くないのでそこへ転職できるコンサルタントは意外と少ないです。少し話はそれますが、例えば大手企業から戦略ファームに移り、数年後に事業会社へ転職しようとした場合、年収も含めてさらにキャリアアップするのは機会を捉えないと難しいですね。

藤元:年収が上がるので、行き場がないのでしょうね。IT系は厳しいですか?

伊藤:先ほどもお話ししましたがIT系コンサルタントの場合でも、例えば総合系ファームのシニア・マネージャーになると年収が1500万円位になります。採用する事業会社からしてみれば、その人でないといけない、というスペシャリティが欲しいわけです。ですから、例えばITコンサルタントをしてきた方が40歳前にして「事業会社で経営企画をやりたい」と言っても難しいです。

IT系のコンサルタントの場合、ひとつの選択肢としてベンダーやSIerの管理職につくというのもあります。部長職くらいで入り、定年くらいまで在職する。上流行程の提案もでき、営業もできるから重宝されるでしょう。

森:ただし、SIerのビジネスが構造的に全般的に厳しくなってきているという状況があることも考慮しないといけませんよね。
<第3回 了>

画像: 座談会:コンサルタントというキャリアの虚実〜単に頭がいいだけの人と、社会を変える人との分かれ目とは?(第1回) - ナレッジワーカーラボ

座談会:コンサルタントというキャリアの虚実〜単に頭がいいだけの人と、社会を変える人との分かれ目とは?(第1回) - ナレッジワーカーラボ

第1回 ITベンチャーがコンサルタントを大量採用する本当の理由
知識と経験で企業の課題を解決していくコンサルタントはナレッジワーカーの代表的な職種である。近年は、コンサルティングファーム出身のコンサルタントだけでなく、メーカーや商社などにおいて専門性を磨いた後、コンサルタントとして活躍するケースも増えてきている。企業側も成長の加速のために、コンサルタントの知見を取り入れることに対して以前よりも積極的になっている。
活躍するコンサルタントはどのようなステップでキャリアを積んでいるのか、採用ニーズのトレンドは何か、給料等の具体的な話しも含めて4名で座談会を行った。メンバーはコンサルタントの最前線にいる電通コンサルティング 取締役シニア・ディレクター 森佑治氏、野村総研を経て立命館大学の教授をつとめる鳥山正博氏、コンサルタントをはじめとしたキャリアコンサルティングをてがける伊藤文隆氏、ナレッジワーカーラボ首席研究員であるコンサルタントのD4DR 藤元健太郎がモデレーターをつとめた。(全4回)
優秀な人材を活用する近道
藤元:日本でもコンサルタントという職種が増えてきているように思いますが、社会的に重要性が増してきていると思いますか。
鳥山:日本も増えてはいますが、アメリカのほうが数は圧倒的に多いですね。アメリカでは、日本では内製化したがる企業のプランニングの部分、企画や戦略をコンサルタントに依頼することが一般的だからでしょう。
立命館大学 教授 鳥山正博
藤元:アメリカのコンサルタントの働き方は主に2種類あります。ひとつは、コンサルティングファームに所属するコンサルタント。もうひとつはインディペンデント・コントラクターという独立系で、企業からプロジェクトを委託され、場合によってはその会社の名刺を持って動きます。アメリカは両方とも数多く存在します。
森:また、アメリカでは活躍する分野も幅広いですよね。以前インディペンデントのサイエンティストという人に会ったことがあります。彼はR&Dのコンサルタントをしていました。
電通コンサルティング 森 祐治
藤元:アメリカがプランニングを積極的にコンサルティングに外注する背景には、その部分をになう人材を採用・教育するより、コンサルタントに依頼するほうがコストは安いからでしょうか。
鳥山:確かに優秀な人を雇用することは、一般の会社では給料面から見て難しいという背景はあります。また、ゼロから育てても辞められてしまったらコストが無駄になります。すでに知識や経験のある人を、必要な時に市場で調達しても効果はかわらないとアメリカの多くの企業は考えるのです。
そして、アメリカでは経営者の流動性が高いので、一緒にコンサルタントも移動します。新しく移った会社でも戦略を実行してくれるコンサルタントが必要だからです。
鳥山:日本のコンサルタントの状況をキャリアコンサルタントの立場からどのように見ていますか。
伊藤:ひと言でコンサルタントと言っても、実は少し得意分野が異なります。日本でイメージするコンサルタントは経営戦略を得意とする人ですが、BPRの業務を得意とするアウトソーサー的なコンサルタントもいて、その数もかなり多い。
森:確かに、日本はIT出身のコンサルタントが多く、業務改善をしてコストダウンをするタイプのコンサルタントの比重が高いですね。
アクシスコンサルティング 伊藤文隆
ベンチャーがコンサルタントを採用する訳とは?
藤元:今は、どのような場面でコンサルタントが活躍していますか。
森:日本企業では消費材や自動車、オーナー系企業など、海外で闘うことを宿命づけられたところはコンサルティング・ファーム出身者を積極期に採用しています。日本国内だけを見ている会社で、コンサルタントをその能力を活かす形で採用しているところは、あまりないですね。
鳥山:引き抜こうとしても、給料が高過ぎて難しい。
藤元:成長するITベンチャーには、コンサルタント経験者が重宝されている感じがします。
伊藤:おっしゃるとおり、成長ステージに入ったインターネット系を中心とするITベンチャーには、コンサルタントのニーズが高い。特に、初期にイメージしていた経営計画よりも急成長した会社に必要とされています。コンサルタント経験者を採用して、組織整備を進めていくので、この場合はBPRが得意な人が適していますね。
藤元:ITベンチャーに採用されたコンサルタントは活躍していますか。
伊藤:全てが上手くいっているとは限りません。トップや経営層がコンサルティングファーム出身者の企業はコンサルタントの採用・活用が上手ですね。某大手インターネット企業もコンサルタント経験者をしっかり活用しています。そのあたりを意識して見きわめていくと活躍の場を広げていくことができるのではないでしょうか。
森:コンサルタントを使いこなせないITベンチャーの経営者も多いですよね。けんか別れしてしまう。
伊藤:最近のトレンドとして、ITベンチャーはコンサルティングファームの第二新卒を希望する会社が増えているんですよ。年収500~600万円程度で、頭の回転が速く、がむしゃらに働くストレス耐性のある人。
ディーフォーディーアール 藤元健太郎
藤元:確かに自社で新卒採用の手間とコストを考えると、間違いなく優秀で社会人としての教育もされている魅力的な人材を効率的に確保できそうですね。
鳥山:有名大学の学生は、新卒の時にベンチャーに関心を持たなくても、2~3年仕事をするとその魅力が見えてくるのでしょう。
<第1回 了>
> 第2回 求む「起業して失敗した人」
スピーカープロフィール
森 祐治
電通コンサルティング 取締役・シニアディレクター
国際基督教大学(ICU)教養学部卒業後、日本電信電話を経てICU大学院博士前期課程修了。同大の助手を経て、Golden Gate University, Graduate School of Technology Management(MBA)及びNew York University, Steinhardt School (Ph.D)へ奨学生として留学。早稲田大学大学院国際情報通信研究科博士後期課程単位取得修了。)
米国滞在中にベンチャー創業・売却を経験。日米のマイクロソフトを経て、マッキンゼー・アンド・カンパニーへ。その後、コンテンツ投資・プロデュース、国際展開支援を行うシンクの代表に転ずる。設立したファンドの償還に伴い、電通コンサルティングに参加。クライアントサービス全体を統括している。
鳥山 正博
立命館大学 教授
マーケティング / マーケティング・リサーチ / 商品開発
国際基督教大学卒(1983)、ノースウェスタン大学ケロッグ校MBA (1988)、東京工業大学大学院修了、工学博士(2009)。1983より2011まで(株)野村総合研究所にて経営コンサルティングに従事。 業種は製薬・自動車・小売・メディア・エンタテインメント・通信・金融等と幅広く、マーケティング戦略・組織を中心にコンサルテーションを行う。とりわけテクノロジーベースのマーケティングイノベーションと新マーケティングリサーチインフラの構築が関心領域。マーケティングリサーチ・メディア・小売領域でビジネスモデル特許出願多数。
藤元健太郎
ディーフォーディーアール 代表取締役
1993年からインターネットビジネスの研究を開始し,1994年に野村総合研究所で日本最初のサイバービジネス実験サイトであるサイバービジネスパークをトータルプロデューサーとして立ち上げた。2002年からD4DRを立ち上げ代表に就任。ITによる社会システム革新やマーケティングイノベーションに関わる多くのプロジェクトに関わる。最近では行動情報マーケティング,オムニチャネル戦略などをテーマにしたものが多い。青山学院大学大学院EMBA非常勤講師,経済産業省産業構造審議会情報経済分科会委員なども歴任。現在日経MJや日経電子版で奔流eビジネス,CMO戦略企画室などを連載中。
伊藤文隆
アクシスコンサルティング株式会社 エグゼクティブコンサルタント/執行役員
製造業で営業・企画・ブランドマネジメント・事業部マネジメント等を10年経験した後、コンサルティング業界に特化した人材紹介会社の立上げに参画。アクシスコンサルティング入社後も引き続きコンサルティング業界を中心としたキャリア支援に強みを持ち、特にマネージャ~パートナークラスの転職サポート実績が豊富。過去に転職サポートした方からの求人依頼も多く、独自のネットワークを築いており、コンサルティング業界からのEXITにも強みを持つ。

www.kwlabo.com
画像: 座談会:コンサルタントというキャリアの虚実〜単に頭がいいだけの人と、社会を変える人との分かれ目とは?(第2回) - ナレッジワーカーラボ

座談会:コンサルタントというキャリアの虚実〜単に頭がいいだけの人と、社会を変える人との分かれ目とは?(第2回) - ナレッジワーカーラボ

知識と経験で企業の課題を解決していくコンサルタントはナレッジワーカーの代表的な職種である。近年は、コンサルティングファーム出身のコンサルタントだけでなく、メーカーや商社などにおいて専門性を磨いた後、コンサルタントとして活躍するケースも増えてきている。
そこで、ナレッジワーカーラボでは様々な立場でコンサルティング/コンサルタントに関わる、電通コンサルティング 森佑治氏、立命館大学 鳥山正博氏、アクシスコンサルティング 伊藤文隆氏、D4DR 藤元健太郎の4名で座談会を行い、コンサルタントの現状と未来を語った。(全4回)
第2回 求む「起業して失敗した人」
勝ちパターンを捨て、成長機会を手に入れる
藤元:コンサルタントとしてキャリアを積む上で、何を意識するとよいでしょう。
鳥山:若い時には多様な業種や職種を見て、いろいろな経験ができるような環境に自分をおくことです。一回経験した成功パターンを常に繰り返しているようでは鍛えられません。
伊藤:経験という話でいくと、最近コンサルティングファームからこんなニーズがありました。「起業して失敗した人はいないか。サラリーマンの経験はなくてもいい」。つまり、自ら挑戦したという経験が重視されているのでしょうね。
アクシスコンサルティング 伊藤文隆
鳥山:コンサルティングファームには、黙っていても偏差値秀才ばかりが集まりますが、言われたことだけ誰よりも優秀にこなすという人ばかりだと、イノベーションは生まれません。
森:最近、外資の大手コンサルティングファームは、一度辞めた人を受け入れるようになってきています。本国のほうでは一般的でしたが、日本ではほとんどありませんでした。
電通コンサルティング 森佑治
鳥山:私も野村総合研究所を一度辞めて、1年後にまた戻りました。当時は珍しかったのですが、今では当たり前になってきていますね。
出世コースより挑戦コース
藤元:経験を積んで起業するコンサルタントがいる一方で、社会人大学院でMBAなどを勉強し、知識を構造化して整理する人もいますね。
鳥山:MBAは一度社会に出た後に学ぶことをお勧めします。大学を卒業しばかりの人でMBAのコースに来て成績が上がっているケースもありますが、ビジネスの経験がないのでやはりピンとこない人が多いような気がします。自分のお金で、働きながらMBAを勉強する人はモチベーションが高いし、問題意識もシャープです。
立命館大学 鳥山正博
藤元:優秀な人が大企業に入り、MBAを取得してから他の企業へ転職してしまうケースも、よくありますね。大企業は地頭がよくて、ポテンシャルの高い人にとっては、物足りないのでしょうか。
鳥山:ほとんどの大企業には出世が約束された「保守本流」などと言われるキャリアのステップがあります。逆説的ですが、この安定的な「本流」に乗せることで、多くの良い人材をダメにしてしまいます。
森:優秀な人材は企業から一度コンサルティングファームへ転職させてみるといいでしょうね。経験を積んだ後、また自分の会社に戻ってきてもらうと、良い仕事をすると思います。
鳥山:ひとつの会社の中で育てる場合は、海外の支社へ行かせてしまうのがいいでしょう。自分で全て考えて、自分自身が動かなければいけない環境におかないと成長しません。
藤元:商社は昔そうでしたね。一時期なくなりましたが、最近また復活したと聞きます。
鳥山:私はNTTが賢い投資をしていると思います。これには、ちょっと解説が必要ですね。「なぜ、そんな会社まで買うのかと」言われるほど企業を次々と買収しており、私はその投資が全て正しいと言っている訳ではありません。NTTはこれらの会社に有望な人材を経営者としてほうり込むことができるんですよ。結果的に、経営者になる実地訓練を受けた人を何人も抱えるにいたっているのです。
<第2回 了>
ディーフォーディーアール 藤元健太郎
座談会:コンサルタントというキャリアの虚実〜単に頭がいいだけの人と、社会を変える人との分かれ目とは?(第1回) - ナレッジワーカーラボ
第1回 ITベンチャーがコンサルタントを大量採用する本当の理由
知識と経験で企業の課題を解決していくコンサルタントはナレッジワーカーの代表的な職種である。近年は、コンサルティングファーム出身のコンサルタントだけでなく、メーカーや商社などにおいて専門性を磨いた後、コンサルタントとして活躍するケースも増えてきている。企業側も成長の加速のために、コンサルタントの知見を取り入れることに対して以前よりも積極的になっている。
活躍するコンサルタントはどのようなステップでキャリアを積んでいるのか、採用ニーズのトレンドは何か、給料等の具体的な話しも含めて4名で座談会を行った。メンバーはコンサルタントの最前線にいる電通コンサルティング 取締役シニア・ディレクター 森佑治氏、野村総研を経て立命館大学の教授をつとめる鳥山正博氏、コンサルタントをはじめとしたキャリアコンサルティングをてがける伊藤文隆氏、ナレッジワーカーラボ首席研究員であるコンサルタントのD4DR 藤元健太郎がモデレーターをつとめた。(全4回)
優秀な人材を活用する近道
藤元:日本でもコンサルタントという職種が増えてきているように思いますが、社会的に重要性が増してきていると思いますか。
鳥山:日本も増えてはいますが、アメリカのほうが数は圧倒的に多いですね。アメリカでは、日本では内製化したがる企業のプランニングの部分、企画や戦略をコンサルタントに依頼することが一般的だからでしょう。
立命館大学 教授 鳥山正博
藤元:アメリカのコンサルタントの働き方は主に2種類あります。ひとつは、コンサルティングファームに所属するコンサルタント。もうひとつはインディペンデント・コントラクターという独立系で、企業からプロジェクトを委託され、場合によってはその会社の名刺を持って動きます。アメリカは両方とも数多く存在します。
森:また、アメリカでは活躍する分野も幅広いですよね。以前インディペンデントのサイエンティストという人に会ったことがあります。彼はR&Dのコンサルタントをしていました。
電通コンサルティング 森 祐治
藤元:アメリカがプランニングを積極的にコンサルティングに外注する背景には、その部分をになう人材を採用・教育するより、コンサルタントに依頼するほうがコストは安いからでしょうか。
鳥山:確かに優秀な人を雇用することは、一般の会社では給料面から見て難しいという背景はあります。また、ゼロから育てても辞められてしまったらコストが無駄になります。すでに知識や経験のある人を、必要な時に市場で調達しても効果はかわらないとアメリカの多くの企業は考えるのです。
そして、アメリカでは経営者の流動性が高いので、一緒にコンサルタントも移動します。新しく移った会社でも戦略を実行してくれるコンサルタントが必要だからです。
鳥山:日本のコンサルタントの状況をキャリアコンサルタントの立場からどのように見ていますか。
伊藤:ひと言でコンサルタントと言っても、実は少し得意分野が異なります。日本でイメージするコンサルタントは経営戦略を得意とする人ですが、BPRの業務を得意とするアウトソーサー的なコンサルタントもいて、その数もかなり多い。
森:確かに、日本はIT出身のコンサルタントが多く、業務改善をしてコストダウンをするタイプのコンサルタントの比重が高いですね。
アクシスコンサルティング 伊藤文隆
ベンチャーがコンサルタントを採用する訳とは?
藤元:今は、どのような場面でコンサルタントが活躍していますか。
森:日本企業では消費材や自動車、オーナー系企業など、海外で闘うことを宿命づけられたところはコンサルティング・ファーム出身者を積極期に採用しています。日本国内だけを見ている会社で、コンサルタントをその能力を活かす形で採用しているところは、あまりないですね。
鳥山:引き抜こうとしても、給料が高過ぎて難しい。
藤元:成長するITベンチャーには、コンサルタント経験者が重宝されている感じがします。
伊藤:おっしゃるとおり、成長ステージに入ったインターネット系を中心とするITベンチャーには、コンサルタントのニーズが高い。特に、初期にイメージしていた経営計画よりも急成長した会社に必要とされています。コンサルタント経験者を採用して、組織整備を進めていくので、この場合はBPRが得意な人が適していますね。
藤元:ITベンチャーに採用されたコンサルタントは活躍していますか。
伊藤:全てが上手くいっているとは限りません。トップや経営層がコンサルティングファーム出身者の企業はコンサルタントの採用・活用が上手ですね。某大手インターネット企業もコンサルタント経験者をしっかり活用しています。そのあたりを意識して見きわめていくと活躍の場を広げていくことができるのではないでしょうか。
森:コンサルタントを使いこなせないITベンチャーの経営者も多いですよね。けんか別れしてしまう。
伊藤:最近のトレンドとして、ITベンチャーはコンサルティングファームの第二新卒を希望する会社が増えているんですよ。年収500~600万円程度で、頭の回転が速く、がむしゃらに働くストレス耐性のある人。
ディーフォーディーアール 藤元健太郎
藤元:確かに自社で新卒採用の手間とコストを考えると、間違いなく優秀で社会人としての教育もされている魅力的な人材を効率的に確保できそうですね。
鳥山:有名大学の学生は、新卒の時にベンチャーに関心を持たなくても、2~3年仕事をするとその魅力が見えてくるのでしょう。
<第1回 了>
> 第2回 求む「起業して失敗した人」
スピーカープロフィール
森 祐治
電通コンサルティング 取締役・シニアディレクター
国際基督教大学(ICU)教養学部卒業後、日本電信電話を経てICU大学院博士前期課程修了。同大の助手を経て、Golden Gate University, Graduate School of Technology Management(MBA)及びNew York University, Steinhardt School (Ph.D)へ奨学生として留学。早稲田大学大学院国際情報通信研究科博士後期課程単位取得修了。)
米国滞在中にベンチャー創業・売却を経験。日米のマイクロソフトを経て、マッキンゼー・アンド・カンパニーへ。その後、コンテンツ投資・プロデュース、国際展開支援を行うシンクの代表に転ずる。設立したファンドの償還に伴い、電通コンサルティングに参加。クライアントサービス全体を統括している。
鳥山 正博
立命館大学 教授
マーケティング / マーケティング・リサーチ / 商品開発
国際基督教大学卒(1983)、ノースウェスタン大学ケロッグ校MBA (1988)、東京工業大学大学院修了、工学博士(2009)。1983より2011まで(株)野村総合研究所にて経営コンサルティングに従事。 業種は製薬・自動車・小売・メディア・エンタテインメント・通信・金融等と幅広く、マーケティング戦略・組織を中心にコンサルテーションを行う。とりわけテクノロジーベースのマーケティングイノベーションと新マーケティングリサーチインフラの構築が関心領域。マーケティングリサーチ・メディア・小売領域でビジネスモデル特許出願多数。
藤元健太郎
ディーフォーディーアール 代表取締役
1993年からインターネットビジネスの研究を開始し,1994年に野村総合研究所で日本最初のサイバービジネス実験サイトであるサイバービジネスパークをトータルプロデューサーとして立ち上げた。2002年からD4DRを立ち上げ代表に就任。ITによる社会システム革新やマーケティングイノベーションに関わる多くのプロジェクトに関わる。最近では行動情報マーケティング,オムニチャネル戦略などをテーマにしたものが多い。青山学院大学大学院EMBA非常勤講師,経済産業省産業構造審議会情報経済分科会委員なども歴任。現在日経MJや日経電子版で奔流eビジネス,CMO戦略企画室などを連載中。
伊藤文隆
アクシスコンサルティング株式会社 エグゼクティブコンサルタント/執行役員
製造業で営業・企画・ブランドマネジメント・事業部マネジメント等を10年経験した後、コンサルティング業界に特化した人材紹介会社の立上げに参画。アクシスコンサルティング入社後も引き続きコンサルティング業界を中心としたキャリア支援に強みを持ち、特にマネージャ~パートナークラスの転職サポート実績が豊富。過去に転職サポートした方からの求人依頼も多く、独自のネットワークを築いており、コンサルティング業界からのEXITにも強みを持つ。
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プロフィール
森 祐治
電通コンサルティング 取締役・シニアディレクター
国際基督教大学(ICU)教養学部卒業後、日本電信電話を経てICU大学院博士前期課程修了。同大の助手を経て、Golden Gate University, Graduate School of Technology Management(MBA)及びNew York University, Steinhardt School (Ph.D)へ奨学生として留学。早稲田大学大学院国際情報通信研究科博士後期課程単位取得修了。)
米国滞在中にベンチャー創業・売却を経験。日米のマイクロソフトを経て、マッキンゼー・アンド・カンパニーへ。その後、コンテンツ投資・プロデュース、国際展開支援を行うシンクの代表に転ずる。設立したファンドの償還に伴い、電通コンサルティングに参加。クライアントサービス全体を統括している。
鳥山 正博
立命館大学 教授
マーケティング / マーケティング・リサーチ / 商品開発
国際基督教大学卒(1983)、ノースウェスタン大学ケロッグ校MBA (1988)、東京工業大学大学院修了、工学博士(2009)。1983より2011まで(株)野村総合研究所にて経営コンサルティングに従事。 業種は製薬・自動車・小売・メディア・エンタテインメント・通信・金融等と幅広く、マーケティング戦略・組織を中心にコンサルテーションを行う。とりわけテクノロジーベースのマーケティングイノベーションと新マーケティングリサーチインフラの構築が関心領域。マーケティングリサーチ・メディア・小売領域でビジネスモデル特許出願多数。
藤元健太郎
1993年からインターネットビジネスの研究を開始し,1994年に野村総合研究所で日本最初のサイバービジネス実験サイトであるサイバービジネスパークをトータルプロデューサーとして立ち上げた。2002年からD4DRを立ち上げ代表に就任。ITによる社会システム革新やマーケティングイノベーションに関わる多くのプロジェクトに関わる。最近では行動情報マーケティング,オムニチャネル戦略などをテーマにしたものが多い。青山学院大学大学院EMBA非常勤講師,経済産業省産業構造審議会情報経済分科会委員なども歴任。現在日経MJや日経電子版で奔流eビジネス,CMO戦略企画室などを連載中。
伊藤文隆
アクシスコンサルティング株式会社 エグゼクティブコンサルタント/執行役員
製造業で営業・企画・ブランドマネジメント・事業部マネジメント等を10年経験した後、コンサルティング業界に特化した人材紹介会社の立上げに参画。アクシスコンサルティング入社後も引き続きコンサルティング業界を中心としたキャリア支援に強みを持ち、特にマネージャ~パートナークラスの転職サポート実績が豊富。過去に転職サポートした方からの求人依頼も多く、独自のネットワークを築いており、コンサルティング業界からのEXITにも強みを持つ。

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座談会:コンサルタントというキャリアの虚実〜単に頭がいいだけの人と、社会を変える人との分かれ目とは?(第4回) - ナレッジワーカーラボ

第4回 多くの人が「40歳を過ぎたら転職先がない」という道を選んでいる
35歳までに外へ出る
伊藤:事業会社がCXOサポート的なポジションの人を採用しようとする場合、35歳~40歳くらいのコンサルタント経験者がターゲットになります。一般的にコンサルタントが事業会社に転職するのは35歳前までという考え方もあるようです。
森:確かに遅くとも40歳までに芽が出ないと厳しいですよね。
藤元:60歳になった時のコンサルタントは、どのような選択肢があると思いますか。
森:コンサルタントのスキルを、これまで経験のない業界で活かしてみてはどうでしょうか。フィーが合わなくても、まずは一緒に仕事をしてみる。行政や政治などもいいですね。先日の大阪市長選挙では、ボランティアで大手コンサルティングファーム出身者が何人もサポートしていました。
藤元:行政や政治は、世の中を変えることに自分の力を使う先のひとつとして、やりがいがある分野ですね。
メーカーの40歳、コンサルティングファームの40歳
伊藤:今までコンサルタントのキャリアにフォーカスして話してきました。転職市場全体を見た時には、40歳の場合、一般事業会社の人よりコンサルティングファーム在籍者のほうが募集ポジションは多いですね。年収にこだわり過ぎない、という条件はありますが。
過去にあった大手電機メーカーのリストラ時と同様に、これからも早期退職したメーカーの人達の転職の相談が増えると思います。しかし40代の方は、同年代のコンサルタントほど、転職先の選択肢がないのが現状です。大手企業になればなるほど、その会社でのみ有効なスキルが多く、スキルの汎用性という意味において市場から評価を受けないことがあるためです。
一方、コンサルティングファームの40歳は同業含めて転職先は数多くあります。これは常に顧客・市場に対してどのような価値を提供できるか?を実践し続けているからですね。コンサルティングファームでももちろん社内政治はありますが、最終的には「お客さんに認められてナンボ」の世界ですから。そこに、この仕事の醍醐味があるともいえますね。
藤元:そのような話を聞くと、事業会社の人もコンサルタント的な働き方をしたほうがよさそうですね。知識を高め、人脈を広げ、必要に応じてすぐに企業間のアライアンスを結ぶことができるよう、常日頃から準備をしておく。
例えばIT業界で働く人であれば、業界のシステム部長を渡り歩けるくらいになる。そうでないと、所属する事業会社の経営が悪化したときに行き場がなくなる。
我々が日本企業に提案する時よく言われる言葉あがあります。
「上司がわかるように(易しく)書き直して欲しい」
本来は役職のある人が最も知識がないといけないのですが。日本企業のローテーション人事の弊害です。数年たつと別の部署へ移動するため、専門性が身につかない。アメリカのマネージャーは、必ずその分野のプロフェッショナルが担当します。
鳥山:その条件を満たすマネージャーがいる企業は、トヨタくらいしか思い浮かびませんね。
藤元:ITにしても、わからないからベンダーが提案する過剰な仕組みのものを押し付けられてしまう。ビッグデータを活用して成果を出しているある会社では、ITの専門家がマーケティングのシステムで使われている多額のシステム経費を削減しました。
マーケティング部、人事部、システム部などの部長職はローテーションで広く浅く知る仕事ではなく、専門性が求められる時代を迎えています。
世界のアンテナとなる日本のデザイン・製品力
藤元:ここで少し、将来の話をしていきたいと思うのですが、2020年のオリンピックが終わった後、日本はどうなるでしょう。
森:2020年の先ではなく、2020年の数年前から準備しておく必要があるでしょうね。日本は2020年に向けてイベントを詰め込んでいますが、2018年くらいから旧来のビジネスがくずれはじめていくと思います。
例えば、海外から日本への旅行者を目当てにしたインバウンドで商売をするのであれば、今から本気で舵をきらないといけない。人手が足りなくなることを見込んで、働き手を海外から選んで呼ぶなど。世の中はまだそういうコンセンサスがありません。
藤元:日本系の会社はグローバルからどう見られていますか。
森:金融も含めて日本のBtoCマーケットは見直されはじめています。コンシューマーのマーケットにおいて、日本で売れれば中国などアジア新興市場でも売れるという流れが見えてききたからです。そこに着目して、IDEOなど欧米のデザイン系の会社が日本に次々と支社を構えはじめていますし、外資系の会社から東京でコンサルティングマネジメントをできる人を紹介してほしいと相談されることも増えています。
鳥山:世界が、日本の物を生み出す力やデザインの力に目を向けはじめたということですね。
森:それもトップノッチ(最高級品)といったものではなく、マーケットの全体的なクオリティの高さや、消費者とのかかわりで製品を洗練させる点が評価されている。
ただ「おもてなし」を日本の専売特許のように言っていますが、このまま精神論でいくと、海外勢が形式知化して、コンセプト逆輸入・オーナー外国というケースが増えていきますよ。
藤元:すでにブルーボトルがそうですよね。日本にインスパイアされてスターバックスよりも競争力を持つカフェを作り、世界展開している。
鳥山:おもてなしという点では星野リゾートに注目しています。新しく作る都内で最も高い宿泊施設を「旅館形式」にして成功させることができれば、世界に展開していくのではないでしょうか。
最後の鍵は、コンサルタントもビジネスパーソンも「個」の力
森:日本ではアメリカほど人が流動化するのは難しいでしょう。ただ、日本企業はもっとコンサルタントへオープンに相談したほうが、新たな発見が多いはずです。
鳥山:異業種を経験したコンサルタントには、ある業界の当たり前が他の業界では違うということが見えてきます。立体的にものごとを分析できますからね。
森:最近、大手コンサルティングファームから「うちへ来ませんか」と声がかかるのですが、担当する産業が限定されている場合が多くて面白味に欠けると思うことがあります。
藤元:業界を決めてしまうと、他の業界の仕事ができなくなりますね。
森:業界限定のみならず、下手をすると特定のクライアントの仕事しかできなくなってしまいます。特に、総合系のコンサルティングファームは業界が縦割りになる傾向があるようです。私のところのような小さいコンサルティングファームは、企業から政府まで多様な案件に関われますし、そのほうが楽しい。クライアントは専門家であっても、コンサルタントは特定の業界が専門である必要はないと思います。
藤元:採用する側として、若手にアドバイスはありますか。
森:成長機会を求めて当社へ就職活動してくる人がいますが、それだけを求めている人はいりません。偏差値が一番高いから東京大学に行きたい、というのと一緒です。結果としてなりたい自分や、実現したいことを持った上でコンサルタントになると、世の中に影響を与えることができるのではないかと思います。
鳥山:有名なコンサルティングファームにいるとちやほやされがちですが、会社名ではなく個人が売れるように仕事をしてほしいですね。修羅場をいとわない。泥臭い仕事もいとわない。要領のいい仕事だけなんてありえません。
藤元:確かにコンサルタントをはじめとしたナレッジワーカーは、効率良く稼ぐ仕事とは違うかもしれません。
鳥山:大学で教えるために必要な資質は、好奇心や面白がるメンタリティです。実務家時代の経験はどんどん古びていきますし、経営は経営学会より現場のほうが進んでいます。大学の中ばかりにいないで、外でそれを常にウォッチしていないといけないですね。
伊藤 他にも、企業の非常勤取締役のニーズも増えてくるでしょう。
ひとつ言えるのは、コンサルタントは、志さえあれば、経験を積むほどに選択肢を広げることができる、魅力的な仕事だと思いますよ。
<第4回 了>
座談会:コンサルタントというキャリアの虚実〜単に頭がいいだけの人と、社会を変える人との分かれ目とは?(第1回) - ナレッジワーカーラボ
第1回 ITベンチャーがコンサルタントを大量採用する本当の理由
知識と経験で企業の課題を解決していくコンサルタントはナレッジワーカーの代表的な職種である。近年は、コンサルティングファーム出身のコンサルタントだけでなく、メーカーや商社などにおいて専門性を磨いた後、コンサルタントとして活躍するケースも増えてきている。企業側も成長の加速のために、コンサルタントの知見を取り入れることに対して以前よりも積極的になっている。
活躍するコンサルタントはどのようなステップでキャリアを積んでいるのか、採用ニーズのトレンドは何か、給料等の具体的な話しも含めて4名で座談会を行った。メンバーはコンサルタントの最前線にいる電通コンサルティング 取締役シニア・ディレクター 森佑治氏、野村総研を経て立命館大学の教授をつとめる鳥山正博氏、コンサルタントをはじめとしたキャリアコンサルティングをてがける伊藤文隆氏、ナレッジワーカーラボ首席研究員であるコンサルタントのD4DR 藤元健太郎がモデレーターをつとめた。(全4回)
優秀な人材を活用する近道
藤元:日本でもコンサルタントという職種が増えてきているように思いますが、社会的に重要性が増してきていると思いますか。
鳥山:日本も増えてはいますが、アメリカのほうが数は圧倒的に多いですね。アメリカでは、日本では内製化したがる企業のプランニングの部分、企画や戦略をコンサルタントに依頼することが一般的だからでしょう。
立命館大学 教授 鳥山正博
藤元:アメリカのコンサルタントの働き方は主に2種類あります。ひとつは、コンサルティングファームに所属するコンサルタント。もうひとつはインディペンデント・コントラクターという独立系で、企業からプロジェクトを委託され、場合によってはその会社の名刺を持って動きます。アメリカは両方とも数多く存在します。
森:また、アメリカでは活躍する分野も幅広いですよね。以前インディペンデントのサイエンティストという人に会ったことがあります。彼はR&Dのコンサルタントをしていました。
電通コンサルティング 森 祐治
藤元:アメリカがプランニングを積極的にコンサルティングに外注する背景には、その部分をになう人材を採用・教育するより、コンサルタントに依頼するほうがコストは安いからでしょうか。
鳥山:確かに優秀な人を雇用することは、一般の会社では給料面から見て難しいという背景はあります。また、ゼロから育てても辞められてしまったらコストが無駄になります。すでに知識や経験のある人を、必要な時に市場で調達しても効果はかわらないとアメリカの多くの企業は考えるのです。
そして、アメリカでは経営者の流動性が高いので、一緒にコンサルタントも移動します。新しく移った会社でも戦略を実行してくれるコンサルタントが必要だからです。
鳥山:日本のコンサルタントの状況をキャリアコンサルタントの立場からどのように見ていますか。
伊藤:ひと言でコンサルタントと言っても、実は少し得意分野が異なります。日本でイメージするコンサルタントは経営戦略を得意とする人ですが、BPRの業務を得意とするアウトソーサー的なコンサルタントもいて、その数もかなり多い。
森:確かに、日本はIT出身のコンサルタントが多く、業務改善をしてコストダウンをするタイプのコンサルタントの比重が高いですね。
アクシスコンサルティング 伊藤文隆
ベンチャーがコンサルタントを採用する訳とは?
藤元:今は、どのような場面でコンサルタントが活躍していますか。
森:日本企業では消費材や自動車、オーナー系企業など、海外で闘うことを宿命づけられたところはコンサルティング・ファーム出身者を積極期に採用しています。日本国内だけを見ている会社で、コンサルタントをその能力を活かす形で採用しているところは、あまりないですね。
鳥山:引き抜こうとしても、給料が高過ぎて難しい。
藤元:成長するITベンチャーには、コンサルタント経験者が重宝されている感じがします。
伊藤:おっしゃるとおり、成長ステージに入ったインターネット系を中心とするITベンチャーには、コンサルタントのニーズが高い。特に、初期にイメージしていた経営計画よりも急成長した会社に必要とされています。コンサルタント経験者を採用して、組織整備を進めていくので、この場合はBPRが得意な人が適していますね。
藤元:ITベンチャーに採用されたコンサルタントは活躍していますか。
伊藤:全てが上手くいっているとは限りません。トップや経営層がコンサルティングファーム出身者の企業はコンサルタントの採用・活用が上手ですね。某大手インターネット企業もコンサルタント経験者をしっかり活用しています。そのあたりを意識して見きわめていくと活躍の場を広げていくことができるのではないでしょうか。
森:コンサルタントを使いこなせないITベンチャーの経営者も多いですよね。けんか別れしてしまう。
伊藤:最近のトレンドとして、ITベンチャーはコンサルティングファームの第二新卒を希望する会社が増えているんですよ。年収500~600万円程度で、頭の回転が速く、がむしゃらに働くストレス耐性のある人。
ディーフォーディーアール 藤元健太郎
藤元:確かに自社で新卒採用の手間とコストを考えると、間違いなく優秀で社会人としての教育もされている魅力的な人材を効率的に確保できそうですね。
鳥山:有名大学の学生は、新卒の時にベンチャーに関心を持たなくても、2~3年仕事をするとその魅力が見えてくるのでしょう。
<第1回 了>
座談会:コンサルタントというキャリアの虚実〜単に頭がいいだけの人と、社会を変える人との分かれ目とは?(第2回) - ナレッジワーカーラボ
知識と経験で企業の課題を解決していくコンサルタントはナレッジワーカーの代表的な職種である。近年は、コンサルティングファーム出身のコンサルタントだけでなく、メーカーや商社などにおいて専門性を磨いた後、コンサルタントとして活躍するケースも増えてきている。
そこで、ナレッジワーカーラボでは様々な立場でコンサルティング/コンサルタントに関わる、電通コンサルティング 森佑治氏、立命館大学 鳥山正博氏、アクシスコンサルティング 伊藤文隆氏、D4DR 藤元健太郎の4名で座談会を行い、コンサルタントの現状と未来を語った。(全4回)
第2回 求む「起業して失敗した人」
勝ちパターンを捨て、成長機会を手に入れる
藤元:コンサルタントとしてキャリアを積む上で、何を意識するとよいでしょう。
鳥山:若い時には多様な業種や職種を見て、いろいろな経験ができるような環境に自分をおくことです。一回経験した成功パターンを常に繰り返しているようでは鍛えられません。
伊藤:経験という話でいくと、最近コンサルティングファームからこんなニーズがありました。「起業して失敗した人はいないか。サラリーマンの経験はなくてもいい」。つまり、自ら挑戦したという経験が重視されているのでしょうね。
アクシスコンサルティング 伊藤文隆
鳥山:コンサルティングファームには、黙っていても偏差値秀才ばかりが集まりますが、言われたことだけ誰よりも優秀にこなすという人ばかりだと、イノベーションは生まれません。
森:最近、外資の大手コンサルティングファームは、一度辞めた人を受け入れるようになってきています。本国のほうでは一般的でしたが、日本ではほとんどありませんでした。
電通コンサルティング 森佑治
鳥山:私も野村総合研究所を一度辞めて、1年後にまた戻りました。当時は珍しかったのですが、今では当たり前になってきていますね。
出世コースより挑戦コース
藤元:経験を積んで起業するコンサルタントがいる一方で、社会人大学院でMBAなどを勉強し、知識を構造化して整理する人もいますね。
鳥山:MBAは一度社会に出た後に学ぶことをお勧めします。大学を卒業しばかりの人でMBAのコースに来て成績が上がっているケースもありますが、ビジネスの経験がないのでやはりピンとこない人が多いような気がします。自分のお金で、働きながらMBAを勉強する人はモチベーションが高いし、問題意識もシャープです。
立命館大学 鳥山正博
藤元:優秀な人が大企業に入り、MBAを取得してから他の企業へ転職してしまうケースも、よくありますね。大企業は地頭がよくて、ポテンシャルの高い人にとっては、物足りないのでしょうか。
鳥山:ほとんどの大企業には出世が約束された「保守本流」などと言われるキャリアのステップがあります。逆説的ですが、この安定的な「本流」に乗せることで、多くの良い人材をダメにしてしまいます。
森:優秀な人材は企業から一度コンサルティングファームへ転職させてみるといいでしょうね。経験を積んだ後、また自分の会社に戻ってきてもらうと、良い仕事をすると思います。
鳥山:ひとつの会社の中で育てる場合は、海外の支社へ行かせてしまうのがいいでしょう。自分で全て考えて、自分自身が動かなければいけない環境におかないと成長しません。
藤元:商社は昔そうでしたね。一時期なくなりましたが、最近また復活したと聞きます。
鳥山:私はNTTが賢い投資をしていると思います。これには、ちょっと解説が必要ですね。「なぜ、そんな会社まで買うのかと」言われるほど企業を次々と買収しており、私はその投資が全て正しいと言っている訳ではありません。NTTはこれらの会社に有望な人材を経営者としてほうり込むことができるんですよ。結果的に、経営者になる実地訓練を受けた人を何人も抱えるにいたっているのです。
<第2回 了>
ディーフォーディーアール 藤元健太郎
座談会:コンサルタントというキャリアの虚実〜単に頭がいいだけの人と、社会を変える人との分かれ目とは?(第1回) - ナレッジワーカーラボ
第1回 ITベンチャーがコンサルタントを大量採用する本当の理由
知識と経験で企業の課題を解決していくコンサルタントはナレッジワーカーの代表的な職種である。近年は、コンサルティングファーム出身のコンサルタントだけでなく、メーカーや商社などにおいて専門性を磨いた後、コンサルタントとして活躍するケースも増えてきている。企業側も成長の加速のために、コンサルタントの知見を取り入れることに対して以前よりも積極的になっている。
活躍するコンサルタントはどのようなステップでキャリアを積んでいるのか、採用ニーズのトレンドは何か、給料等の具体的な話しも含めて4名で座談会を行った。メンバーはコンサルタントの最前線にいる電通コンサルティング 取締役シニア・ディレクター 森佑治氏、野村総研を経て立命館大学の教授をつとめる鳥山正博氏、コンサルタントをはじめとしたキャリアコンサルティングをてがける伊藤文隆氏、ナレッジワーカーラボ首席研究員であるコンサルタントのD4DR 藤元健太郎がモデレーターをつとめた。(全4回)
優秀な人材を活用する近道
藤元:日本でもコンサルタントという職種が増えてきているように思いますが、社会的に重要性が増してきていると思いますか。
鳥山:日本も増えてはいますが、アメリカのほうが数は圧倒的に多いですね。アメリカでは、日本では内製化したがる企業のプランニングの部分、企画や戦略をコンサルタントに依頼することが一般的だからでしょう。
立命館大学 教授 鳥山正博
藤元:アメリカのコンサルタントの働き方は主に2種類あります。ひとつは、コンサルティングファームに所属するコンサルタント。もうひとつはインディペンデント・コントラクターという独立系で、企業からプロジェクトを委託され、場合によってはその会社の名刺を持って動きます。アメリカは両方とも数多く存在します。
森:また、アメリカでは活躍する分野も幅広いですよね。以前インディペンデントのサイエンティストという人に会ったことがあります。彼はR&Dのコンサルタントをしていました。
電通コンサルティング 森 祐治
藤元:アメリカがプランニングを積極的にコンサルティングに外注する背景には、その部分をになう人材を採用・教育するより、コンサルタントに依頼するほうがコストは安いからでしょうか。
鳥山:確かに優秀な人を雇用することは、一般の会社では給料面から見て難しいという背景はあります。また、ゼロから育てても辞められてしまったらコストが無駄になります。すでに知識や経験のある人を、必要な時に市場で調達しても効果はかわらないとアメリカの多くの企業は考えるのです。
そして、アメリカでは経営者の流動性が高いので、一緒にコンサルタントも移動します。新しく移った会社でも戦略を実行してくれるコンサルタントが必要だからです。
鳥山:日本のコンサルタントの状況をキャリアコンサルタントの立場からどのように見ていますか。
伊藤:ひと言でコンサルタントと言っても、実は少し得意分野が異なります。日本でイメージするコンサルタントは経営戦略を得意とする人ですが、BPRの業務を得意とするアウトソーサー的なコンサルタントもいて、その数もかなり多い。
森:確かに、日本はIT出身のコンサルタントが多く、業務改善をしてコストダウンをするタイプのコンサルタントの比重が高いですね。
アクシスコンサルティング 伊藤文隆
ベンチャーがコンサルタントを採用する訳とは?
藤元:今は、どのような場面でコンサルタントが活躍していますか。
森:日本企業では消費材や自動車、オーナー系企業など、海外で闘うことを宿命づけられたところはコンサルティング・ファーム出身者を積極期に採用しています。日本国内だけを見ている会社で、コンサルタントをその能力を活かす形で採用しているところは、あまりないですね。
鳥山:引き抜こうとしても、給料が高過ぎて難しい。
藤元:成長するITベンチャーには、コンサルタント経験者が重宝されている感じがします。
伊藤:おっしゃるとおり、成長ステージに入ったインターネット系を中心とするITベンチャーには、コンサルタントのニーズが高い。特に、初期にイメージしていた経営計画よりも急成長した会社に必要とされています。コンサルタント経験者を採用して、組織整備を進めていくので、この場合はBPRが得意な人が適していますね。
藤元:ITベンチャーに採用されたコンサルタントは活躍していますか。
伊藤:全てが上手くいっているとは限りません。トップや経営層がコンサルティングファーム出身者の企業はコンサルタントの採用・活用が上手ですね。某大手インターネット企業もコンサルタント経験者をしっかり活用しています。そのあたりを意識して見きわめていくと活躍の場を広げていくことができるのではないでしょうか。
森:コンサルタントを使いこなせないITベンチャーの経営者も多いですよね。けんか別れしてしまう。
伊藤:最近のトレンドとして、ITベンチャーはコンサルティングファームの第二新卒を希望する会社が増えているんですよ。年収500~600万円程度で、頭の回転が速く、がむしゃらに働くストレス耐性のある人。
ディーフォーディーアール 藤元健太郎
藤元:確かに自社で新卒採用の手間とコストを考えると、間違いなく優秀で社会人としての教育もされている魅力的な人材を効率的に確保できそうですね。
鳥山:有名大学の学生は、新卒の時にベンチャーに関心を持たなくても、2~3年仕事をするとその魅力が見えてくるのでしょう。
<第1回 了>
> 第2回 求む「起業して失敗した人」
スピーカープロフィール
森 祐治
電通コンサルティング 取締役・シニアディレクター
国際基督教大学(ICU)教養学部卒業後、日本電信電話を経てICU大学院博士前期課程修了。同大の助手を経て、Golden Gate University, Graduate School of Technology Management(MBA)及びNew York University, Steinhardt School (Ph.D)へ奨学生として留学。早稲田大学大学院国際情報通信研究科博士後期課程単位取得修了。)
米国滞在中にベンチャー創業・売却を経験。日米のマイクロソフトを経て、マッキンゼー・アンド・カンパニーへ。その後、コンテンツ投資・プロデュース、国際展開支援を行うシンクの代表に転ずる。設立したファンドの償還に伴い、電通コンサルティングに参加。クライアントサービス全体を統括している。
鳥山 正博
立命館大学 教授
マーケティング / マーケティング・リサーチ / 商品開発
国際基督教大学卒(1983)、ノースウェスタン大学ケロッグ校MBA (1988)、東京工業大学大学院修了、工学博士(2009)。1983より2011まで(株)野村総合研究所にて経営コンサルティングに従事。 業種は製薬・自動車・小売・メディア・エンタテインメント・通信・金融等と幅広く、マーケティング戦略・組織を中心にコンサルテーションを行う。とりわけテクノロジーベースのマーケティングイノベーションと新マーケティングリサーチインフラの構築が関心領域。マーケティングリサーチ・メディア・小売領域でビジネスモデル特許出願多数。
藤元健太郎
ディーフォーディーアール 代表取締役
1993年からインターネットビジネスの研究を開始し,1994年に野村総合研究所で日本最初のサイバービジネス実験サイトであるサイバービジネスパークをトータルプロデューサーとして立ち上げた。2002年からD4DRを立ち上げ代表に就任。ITによる社会システム革新やマーケティングイノベーションに関わる多くのプロジェクトに関わる。最近では行動情報マーケティング,オムニチャネル戦略などをテーマにしたものが多い。青山学院大学大学院EMBA非常勤講師,経済産業省産業構造審議会情報経済分科会委員なども歴任。現在日経MJや日経電子版で奔流eビジネス,CMO戦略企画室などを連載中。
伊藤文隆
アクシスコンサルティング株式会社 エグゼクティブコンサルタント/執行役員
製造業で営業・企画・ブランドマネジメント・事業部マネジメント等を10年経験した後、コンサルティング業界に特化した人材紹介会社の立上げに参画。アクシスコンサルティング入社後も引き続きコンサルティング業界を中心としたキャリア支援に強みを持ち、特にマネージャ~パートナークラスの転職サポート実績が豊富。過去に転職サポートした方からの求人依頼も多く、独自のネットワークを築いており、コンサルティング業界からのEXITにも強みを持つ。
www.kwlabo.com
プロフィール
森 祐治
電通コンサルティング 取締役・シニアディレクター
国際基督教大学(ICU)教養学部卒業後、日本電信電話を経てICU大学院博士前期課程修了。同大の助手を経て、Golden Gate University, Graduate School of Technology Management(MBA)及びNew York University, Steinhardt School (Ph.D)へ奨学生として留学。早稲田大学大学院国際情報通信研究科博士後期課程単位取得修了。)
米国滞在中にベンチャー創業・売却を経験。日米のマイクロソフトを経て、マッキンゼー・アンド・カンパニーへ。その後、コンテンツ投資・プロデュース、国際展開支援を行うシンクの代表に転ずる。設立したファンドの償還に伴い、電通コンサルティングに参加。クライアントサービス全体を統括している。
鳥山 正博
立命館大学 教授
マーケティング / マーケティング・リサーチ / 商品開発
国際基督教大学卒(1983)、ノースウェスタン大学ケロッグ校MBA (1988)、東京工業大学大学院修了、工学博士(2009)。1983より2011まで(株)野村総合研究所にて経営コンサルティングに従事。 業種は製薬・自動車・小売・メディア・エンタテインメント・通信・金融等と幅広く、マーケティング戦略・組織を中心にコンサルテーションを行う。とりわけテクノロジーベースのマーケティングイノベーションと新マーケティングリサーチインフラの構築が関心領域。マーケティングリサーチ・メディア・小売領域でビジネスモデル特許出願多数。
藤元健太郎
1993年からインターネットビジネスの研究を開始し,1994年に野村総合研究所で日本最初のサイバービジネス実験サイトであるサイバービジネスパークをトータルプロデューサーとして立ち上げた。2002年からD4DRを立ち上げ代表に就任。ITによる社会システム革新やマーケティングイノベーションに関わる多くのプロジェクトに関わる。最近では行動情報マーケティング,オムニチャネル戦略などをテーマにしたものが多い。青山学院大学大学院EMBA非常勤講師,経済産業省産業構造審議会情報経済分科会委員なども歴任。現在日経MJや日経電子版で奔流eビジネス,CMO戦略企画室などを連載中。
伊藤文隆
アクシスコンサルティング株式会社 エグゼクティブコンサルタント/執行役員
製造業で営業・企画・ブランドマネジメント・事業部マネジメント等を10年経験した後、コンサルティング業界に特化した人材紹介会社の立上げに参画。アクシスコンサルティング入社後も引き続きコンサルティング業界を中心としたキャリア支援に強みを持ち、特にマネージャ~パートナークラスの転職サポート実績が豊富。過去に転職サポートした方からの求人依頼も多く、独自のネットワークを築いており、コンサルティング業界からのEXITにも強みを持つ。
www.kwlabo.com
座談会:コンサルタントというキャリアの虚実〜単に頭がいいだけの人と、社会を変える人との分かれ目とは?(第3回) - ナレッジワーカーラボ
第3回 末は教授か経営者、は本当か?〜コンサルタントのキャリアステップ
大学で教えるためには「論文」と「博士号」
藤元:この10年、日本でも増えてきた「コンサルタント」ですが、そのキャリアステップについては、どのような可能性があるでしょうか。
鳥山:私のように大学で教えることは、選択肢のひとつでしょう。大学には研究を続けてきたアカデミック教員と、企業で働いた経験のある実務家教員がいます。学生には実務家教員のほうが評判が良いですよ。給料は高くありませんが、若い人に教えるというやりがいのある職場です。
非常勤で教えた経験は実績としてあまり考慮されません。本気で大学で教えたいと考える人は、学会で論文発表をして博士号を取るべきです。採用を検討する際には様々な分野の教員が関わるので、最終的には査読付き論文の数と学位が採用の判断基準になります。
森:MBAを取得できる一橋大学大学院 商学研究科経営学修士コースや早稲田大学ビジネススクールには、コンサルティングファームのトップ経験者が教授陣として揃っていますよね。
鳥山:そうですね。日本の大学の状況を把握しておく必要もあるでしょうね。例えばITの分野は、日本の大学側がコンサルタントの受け入れ態勢がまだ弱いですね。
森: 技術版のMBAといわれるMOT(Management of Technology)もこれからですね。むしろ、理系トップスクールの経営/管理工学系大学院や、東京大学工学部 システム創成学科や慶應義塾大学の大学院システムデザインマネジメントなど良いところがいくつか出てきているかと思います。日本の理系の人が、社会課題についてもっと関心を寄せるようになるといいですね。あらゆる場面で日本はサイエンスが足りません。計量して分析することが日本では民間も大学も弱い。
藤元:日本の製造業の生産性は高まりましたが、サービスサイエンスは進んでいませんよね。サービス業はウォルマートなどのアメリカの先進事例を常に真似していればよかったからでしょう。
森:製造業はむしろ日本がリードしていたので、自ら改善して前へ進まなければいけなかったんですよね。
地方の優良企業の経営者という道
藤元:どのような業界から、コンサルタントのニーズはありますか?
伊藤:コンサルタントを採用できる業界は限定されますね。一番の要因は給料です。コンサルティングファーム出身の35歳を採用する場合、給料は通常1000万円を超えます。
SPAをてがける大手アパレルレベルになればコンサルタントの採用に積極的ですが、一般的には内資のサービス・流通・小売りの給与水準では採用は難しい。
藤元:地方の優良はどうでしょう?事業継承に困っている企業に社長として入る。
鳥山:潜在的なニーズはありますが、全てのコンサルタントが適しているとは言えません。
コンサルタントと経営者は同じ経営用語を使って会話をしていても、行動原理は相当違います。経営者はリスクを取るのが仕事ですが、そのリスクを取らせないようにするのがコンサルタントの役割です。
また、コンサルタントは自分がタダ働きをする程度のリスクすらも取らないのです。
コンサルタントも、経験を積むうちにリスクを取って決める覚悟を固め、一皮むければ良い経営者になるでしょう。
森:まずは社長室などで実績を出すのが良いかもしれませんね。
世襲の会社にアドバイザーとして入り、社長は会長で残るという体制も上手くいくかもしれません。コンサルタントには、二代目と仲良くなれるタイプの人が多いですからね。
年齢と年収のせめぎあい
藤元:コンサルタントが独立すると、どのような仕事がありますか。
伊藤:コンサルタントとして独立した場合、50歳を過ぎて特にこれといった強みが無いと、仕事は減るケースが多いですね。しかし、自分で営業できる人は年令に関係なく仕事があります。そのあたりを意識して将来像を描きながらチャレンジしていけば可能性も広がるでしょう。
森:長年働いたコンサルティングファームを辞めた後、大学などの教職以外には、フリーのコンサルタント、あるいは事業会社でビジネスをリードするという選択肢もあります。単に社長になりたいだけであれば、雇われ社長になったほうができる範囲も広く、大きな事業を動かせます。
私個人の関心でもあるのですが「社会的なインパクトをどれくらい与えることができるか」ということが大切だと思います。会社に数億円を儲けさせたことより、社会的に影響のあるEVのようなイノベーションを生み出せるかどうか。それを実現できる可能性があるなら、挑戦すればいいと思います。
藤元:意思と意欲の高い未成年の若者の事業計画と、コンサルティング経験者のストーリーが美しい事業計画があった場合、どちらを選びますか。
森:両方兼ね備えているほうがいいですね(笑)。選ぶとなれば前者です。ローリスクローリターンのほうが試しやすいし、やり直しも利きやすい。
藤元:コンサルタントであれば、CXO的な役割で経営者のヴィジョンをサポートできますよね。
伊藤: CXOのサポート的な役割を期待してコンサルタント経験者を積極採用している企業も多いです。募集年齢は企業によって異なりますが、35歳~40 代前半位が多いですね。
コンサルタントの場合、年齢が上がると年収も事業会社との乖離が広がります。例えば、40歳のコンサルタントであればIT系で1500万円くらい(シニア・マネージャー)の年収ですし、戦略系だと2000~3000万円くらいです。事業会社への転職はコンサルタントが事業会社側に合わせて年収を下げられるかどうかも鍵になります。
ただ事業会社への転職を希望してくるコンサルタントの多くは、転職理由が明確ではないのです。でも「いやなこと」ははっきり言う。「金融とITはいやです」とか(笑)。事業会社へ移る動機が明確ではないから、年収も柔軟に対応できない。
藤元:事業会社に入って、成功するコンサルタントの特徴はありますか。
伊藤:意外かもしれませんが、安定志向の人は事業会社へ移ると失敗するケースが多いです。上手くいっている人はチャレンジングな人ですね。採用する企業としても成長戦略を実現するなり、何かを変革するためにコンサルタント経験者を採用するわけですから。安定を望むのであれば、最近ではワーク・ライフ・バランスが取れたり、定年まで働けるファームもあるので、今までの経験をそのまま活かせるコンサルタントのままでいたほうがいいと思います。
森:外資系企業を渡り歩く「外資回遊系」の人もいますよね。
伊藤:人気があるのはGE、P&Gなどの外資系企業です。しかし採用人数も多くないのでそこへ転職できるコンサルタントは意外と少ないです。少し話はそれますが、例えば大手企業から戦略ファームに移り、数年後に事業会社へ転職しようとした場合、年収も含めてさらにキャリアアップするのは機会を捉えないと難しいですね。
藤元:年収が上がるので、行き場がないのでしょうね。IT系は厳しいですか?
伊藤:先ほどもお話ししましたがIT系コンサルタントの場合でも、例えば総合系ファームのシニア・マネージャーになると年収が1500万円位になります。採用する事業会社からしてみれば、その人でないといけない、というスペシャリティが欲しいわけです。ですから、例えばITコンサルタントをしてきた方が40歳前にして「事業会社で経営企画をやりたい」と言っても難しいです。
IT系のコンサルタントの場合、ひとつの選択肢としてベンダーやSIerの管理職につくというのもあります。部長職くらいで入り、定年くらいまで在職する。上流行程の提案もでき、営業もできるから重宝されるでしょう。
森:ただし、SIerのビジネスが構造的に全般的に厳しくなってきているという状況があることも考慮しないといけませんよね。
<第3回 了>
座談会:コンサルタントというキャリアの虚実〜単に頭がいいだけの人と、社会を変える人との分かれ目とは?(第1回) - ナレッジワーカーラボ
第1回 ITベンチャーがコンサルタントを大量採用する本当の理由
知識と経験で企業の課題を解決していくコンサルタントはナレッジワーカーの代表的な職種である。近年は、コンサルティングファーム出身のコンサルタントだけでなく、メーカーや商社などにおいて専門性を磨いた後、コンサルタントとして活躍するケースも増えてきている。企業側も成長の加速のために、コンサルタントの知見を取り入れることに対して以前よりも積極的になっている。
活躍するコンサルタントはどのようなステップでキャリアを積んでいるのか、採用ニーズのトレンドは何か、給料等の具体的な話しも含めて4名で座談会を行った。メンバーはコンサルタントの最前線にいる電通コンサルティング 取締役シニア・ディレクター 森佑治氏、野村総研を経て立命館大学の教授をつとめる鳥山正博氏、コンサルタントをはじめとしたキャリアコンサルティングをてがける伊藤文隆氏、ナレッジワーカーラボ首席研究員であるコンサルタントのD4DR 藤元健太郎がモデレーターをつとめた。(全4回)
優秀な人材を活用する近道
藤元:日本でもコンサルタントという職種が増えてきているように思いますが、社会的に重要性が増してきていると思いますか。
鳥山:日本も増えてはいますが、アメリカのほうが数は圧倒的に多いですね。アメリカでは、日本では内製化したがる企業のプランニングの部分、企画や戦略をコンサルタントに依頼することが一般的だからでしょう。
立命館大学 教授 鳥山正博
藤元:アメリカのコンサルタントの働き方は主に2種類あります。ひとつは、コンサルティングファームに所属するコンサルタント。もうひとつはインディペンデント・コントラクターという独立系で、企業からプロジェクトを委託され、場合によってはその会社の名刺を持って動きます。アメリカは両方とも数多く存在します。
森:また、アメリカでは活躍する分野も幅広いですよね。以前インディペンデントのサイエンティストという人に会ったことがあります。彼はR&Dのコンサルタントをしていました。
電通コンサルティング 森 祐治
藤元:アメリカがプランニングを積極的にコンサルティングに外注する背景には、その部分をになう人材を採用・教育するより、コンサルタントに依頼するほうがコストは安いからでしょうか。
鳥山:確かに優秀な人を雇用することは、一般の会社では給料面から見て難しいという背景はあります。また、ゼロから育てても辞められてしまったらコストが無駄になります。すでに知識や経験のある人を、必要な時に市場で調達しても効果はかわらないとアメリカの多くの企業は考えるのです。
そして、アメリカでは経営者の流動性が高いので、一緒にコンサルタントも移動します。新しく移った会社でも戦略を実行してくれるコンサルタントが必要だからです。
鳥山:日本のコンサルタントの状況をキャリアコンサルタントの立場からどのように見ていますか。
伊藤:ひと言でコンサルタントと言っても、実は少し得意分野が異なります。日本でイメージするコンサルタントは経営戦略を得意とする人ですが、BPRの業務を得意とするアウトソーサー的なコンサルタントもいて、その数もかなり多い。
森:確かに、日本はIT出身のコンサルタントが多く、業務改善をしてコストダウンをするタイプのコンサルタントの比重が高いですね。
アクシスコンサルティング 伊藤文隆
ベンチャーがコンサルタントを採用する訳とは?
藤元:今は、どのような場面でコンサルタントが活躍していますか。
森:日本企業では消費材や自動車、オーナー系企業など、海外で闘うことを宿命づけられたところはコンサルティング・ファーム出身者を積極期に採用しています。日本国内だけを見ている会社で、コンサルタントをその能力を活かす形で採用しているところは、あまりないですね。
鳥山:引き抜こうとしても、給料が高過ぎて難しい。
藤元:成長するITベンチャーには、コンサルタント経験者が重宝されている感じがします。
伊藤:おっしゃるとおり、成長ステージに入ったインターネット系を中心とするITベンチャーには、コンサルタントのニーズが高い。特に、初期にイメージしていた経営計画よりも急成長した会社に必要とされています。コンサルタント経験者を採用して、組織整備を進めていくので、この場合はBPRが得意な人が適していますね。
藤元:ITベンチャーに採用されたコンサルタントは活躍していますか。
伊藤:全てが上手くいっているとは限りません。トップや経営層がコンサルティングファーム出身者の企業はコンサルタントの採用・活用が上手ですね。某大手インターネット企業もコンサルタント経験者をしっかり活用しています。そのあたりを意識して見きわめていくと活躍の場を広げていくことができるのではないでしょうか。
森:コンサルタントを使いこなせないITベンチャーの経営者も多いですよね。けんか別れしてしまう。
伊藤:最近のトレンドとして、ITベンチャーはコンサルティングファームの第二新卒を希望する会社が増えているんですよ。年収500~600万円程度で、頭の回転が速く、がむしゃらに働くストレス耐性のある人。
ディーフォーディーアール 藤元健太郎
藤元:確かに自社で新卒採用の手間とコストを考えると、間違いなく優秀で社会人としての教育もされている魅力的な人材を効率的に確保できそうですね。
鳥山:有名大学の学生は、新卒の時にベンチャーに関心を持たなくても、2~3年仕事をするとその魅力が見えてくるのでしょう。
<第1回 了>
> 第2回 求む「起業して失敗した人」
スピーカープロフィール
森 祐治
電通コンサルティング 取締役・シニアディレクター
国際基督教大学(ICU)教養学部卒業後、日本電信電話を経てICU大学院博士前期課程修了。同大の助手を経て、Golden Gate University, Graduate School of Technology Management(MBA)及びNew York University, Steinhardt School (Ph.D)へ奨学生として留学。早稲田大学大学院国際情報通信研究科博士後期課程単位取得修了。)
米国滞在中にベンチャー創業・売却を経験。日米のマイクロソフトを経て、マッキンゼー・アンド・カンパニーへ。その後、コンテンツ投資・プロデュース、国際展開支援を行うシンクの代表に転ずる。設立したファンドの償還に伴い、電通コンサルティングに参加。クライアントサービス全体を統括している。
鳥山 正博
立命館大学 教授
マーケティング / マーケティング・リサーチ / 商品開発
国際基督教大学卒(1983)、ノースウェスタン大学ケロッグ校MBA (1988)、東京工業大学大学院修了、工学博士(2009)。1983より2011まで(株)野村総合研究所にて経営コンサルティングに従事。 業種は製薬・自動車・小売・メディア・エンタテインメント・通信・金融等と幅広く、マーケティング戦略・組織を中心にコンサルテーションを行う。とりわけテクノロジーベースのマーケティングイノベーションと新マーケティングリサーチインフラの構築が関心領域。マーケティングリサーチ・メディア・小売領域でビジネスモデル特許出願多数。
藤元健太郎
ディーフォーディーアール 代表取締役
1993年からインターネットビジネスの研究を開始し,1994年に野村総合研究所で日本最初のサイバービジネス実験サイトであるサイバービジネスパークをトータルプロデューサーとして立ち上げた。2002年からD4DRを立ち上げ代表に就任。ITによる社会システム革新やマーケティングイノベーションに関わる多くのプロジェクトに関わる。最近では行動情報マーケティング,オムニチャネル戦略などをテーマにしたものが多い。青山学院大学大学院EMBA非常勤講師,経済産業省産業構造審議会情報経済分科会委員なども歴任。現在日経MJや日経電子版で奔流eビジネス,CMO戦略企画室などを連載中。
伊藤文隆
アクシスコンサルティング株式会社 エグゼクティブコンサルタント/執行役員
製造業で営業・企画・ブランドマネジメント・事業部マネジメント等を10年経験した後、コンサルティング業界に特化した人材紹介会社の立上げに参画。アクシスコンサルティング入社後も引き続きコンサルティング業界を中心としたキャリア支援に強みを持ち、特にマネージャ~パートナークラスの転職サポート実績が豊富。過去に転職サポートした方からの求人依頼も多く、独自のネットワークを築いており、コンサルティング業界からのEXITにも強みを持つ。
www.kwlabo.com
座談会:コンサルタントというキャリアの虚実〜単に頭がいいだけの人と、社会を変える人との分かれ目とは?(第3回) - ナレッジワーカーラボ
第3回 末は教授か経営者、は本当か?〜コンサルタントのキャリアステップ
大学で教えるためには「論文」と「博士号」
藤元:この10年、日本でも増えてきた「コンサルタント」ですが、そのキャリアステップについては、どのような可能性があるでしょうか。
鳥山:私のように大学で教えることは、選択肢のひとつでしょう。大学には研究を続けてきたアカデミック教員と、企業で働いた経験のある実務家教員がいます。学生には実務家教員のほうが評判が良いですよ。給料は高くありませんが、若い人に教えるというやりがいのある職場です。
非常勤で教えた経験は実績としてあまり考慮されません。本気で大学で教えたいと考える人は、学会で論文発表をして博士号を取るべきです。採用を検討する際には様々な分野の教員が関わるので、最終的には査読付き論文の数と学位が採用の判断基準になります。
森:MBAを取得できる一橋大学大学院 商学研究科経営学修士コースや早稲田大学ビジネススクールには、コンサルティングファームのトップ経験者が教授陣として揃っていますよね。
鳥山:そうですね。日本の大学の状況を把握しておく必要もあるでしょうね。例えばITの分野は、日本の大学側がコンサルタントの受け入れ態勢がまだ弱いですね。
森: 技術版のMBAといわれるMOT(Management of Technology)もこれからですね。むしろ、理系トップスクールの経営/管理工学系大学院や、東京大学工学部 システム創成学科や慶應義塾大学の大学院システムデザインマネジメントなど良いところがいくつか出てきているかと思います。日本の理系の人が、社会課題についてもっと関心を寄せるようになるといいですね。あらゆる場面で日本はサイエンスが足りません。計量して分析することが日本では民間も大学も弱い。
藤元:日本の製造業の生産性は高まりましたが、サービスサイエンスは進んでいませんよね。サービス業はウォルマートなどのアメリカの先進事例を常に真似していればよかったからでしょう。
森:製造業はむしろ日本がリードしていたので、自ら改善して前へ進まなければいけなかったんですよね。
地方の優良企業の経営者という道
藤元:どのような業界から、コンサルタントのニーズはありますか?
伊藤:コンサルタントを採用できる業界は限定されますね。一番の要因は給料です。コンサルティングファーム出身の35歳を採用する場合、給料は通常1000万円を超えます。
SPAをてがける大手アパレルレベルになればコンサルタントの採用に積極的ですが、一般的には内資のサービス・流通・小売りの給与水準では採用は難しい。
藤元:地方の優良はどうでしょう?事業継承に困っている企業に社長として入る。
鳥山:潜在的なニーズはありますが、全てのコンサルタントが適しているとは言えません。
コンサルタントと経営者は同じ経営用語を使って会話をしていても、行動原理は相当違います。経営者はリスクを取るのが仕事ですが、そのリスクを取らせないようにするのがコンサルタントの役割です。
また、コンサルタントは自分がタダ働きをする程度のリスクすらも取らないのです。
コンサルタントも、経験を積むうちにリスクを取って決める覚悟を固め、一皮むければ良い経営者になるでしょう。
森:まずは社長室などで実績を出すのが良いかもしれませんね。
世襲の会社にアドバイザーとして入り、社長は会長で残るという体制も上手くいくかもしれません。コンサルタントには、二代目と仲良くなれるタイプの人が多いですからね。
年齢と年収のせめぎあい
藤元:コンサルタントが独立すると、どのような仕事がありますか。
伊藤:コンサルタントとして独立した場合、50歳を過ぎて特にこれといった強みが無いと、仕事は減るケースが多いですね。しかし、自分で営業できる人は年令に関係なく仕事があります。そのあたりを意識して将来像を描きながらチャレンジしていけば可能性も広がるでしょう。
森:長年働いたコンサルティングファームを辞めた後、大学などの教職以外には、フリーのコンサルタント、あるいは事業会社でビジネスをリードするという選択肢もあります。単に社長になりたいだけであれば、雇われ社長になったほうができる範囲も広く、大きな事業を動かせます。
私個人の関心でもあるのですが「社会的なインパクトをどれくらい与えることができるか」ということが大切だと思います。会社に数億円を儲けさせたことより、社会的に影響のあるEVのようなイノベーションを生み出せるかどうか。それを実現できる可能性があるなら、挑戦すればいいと思います。
藤元:意思と意欲の高い未成年の若者の事業計画と、コンサルティング経験者のストーリーが美しい事業計画があった場合、どちらを選びますか。
森:両方兼ね備えているほうがいいですね(笑)。選ぶとなれば前者です。ローリスクローリターンのほうが試しやすいし、やり直しも利きやすい。
藤元:コンサルタントであれば、CXO的な役割で経営者のヴィジョンをサポートできますよね。
伊藤: CXOのサポート的な役割を期待してコンサルタント経験者を積極採用している企業も多いです。募集年齢は企業によって異なりますが、35歳~40 代前半位が多いですね。
コンサルタントの場合、年齢が上がると年収も事業会社との乖離が広がります。例えば、40歳のコンサルタントであればIT系で1500万円くらい(シニア・マネージャー)の年収ですし、戦略系だと2000~3000万円くらいです。事業会社への転職はコンサルタントが事業会社側に合わせて年収を下げられるかどうかも鍵になります。
ただ事業会社への転職を希望してくるコンサルタントの多くは、転職理由が明確ではないのです。でも「いやなこと」ははっきり言う。「金融とITはいやです」とか(笑)。事業会社へ移る動機が明確ではないから、年収も柔軟に対応できない。
藤元:事業会社に入って、成功するコンサルタントの特徴はありますか。
伊藤:意外かもしれませんが、安定志向の人は事業会社へ移ると失敗するケースが多いです。上手くいっている人はチャレンジングな人ですね。採用する企業としても成長戦略を実現するなり、何かを変革するためにコンサルタント経験者を採用するわけですから。安定を望むのであれば、最近ではワーク・ライフ・バランスが取れたり、定年まで働けるファームもあるので、今までの経験をそのまま活かせるコンサルタントのままでいたほうがいいと思います。
森:外資系企業を渡り歩く「外資回遊系」の人もいますよね。
伊藤:人気があるのはGE、P&Gなどの外資系企業です。しかし採用人数も多くないのでそこへ転職できるコンサルタントは意外と少ないです。少し話はそれますが、例えば大手企業から戦略ファームに移り、数年後に事業会社へ転職しようとした場合、年収も含めてさらにキャリアアップするのは機会を捉えないと難しいですね。
藤元:年収が上がるので、行き場がないのでしょうね。IT系は厳しいですか?
伊藤:先ほどもお話ししましたがIT系コンサルタントの場合でも、例えば総合系ファームのシニア・マネージャーになると年収が1500万円位になります。採用する事業会社からしてみれば、その人でないといけない、というスペシャリティが欲しいわけです。ですから、例えばITコンサルタントをしてきた方が40歳前にして「事業会社で経営企画をやりたい」と言っても難しいです。
IT系のコンサルタントの場合、ひとつの選択肢としてベンダーやSIerの管理職につくというのもあります。部長職くらいで入り、定年くらいまで在職する。上流行程の提案もでき、営業もできるから重宝されるでしょう。
森:ただし、SIerのビジネスが構造的に全般的に厳しくなってきているという状況があることも考慮しないといけませんよね。
プロフィール
森 祐治
電通コンサルティング 取締役・シニアディレクター
国際基督教大学(ICU)教養学部卒業後、日本電信電話を経てICU大学院博士前期課程修了。同大の助手を経て、Golden Gate University, Graduate School of Technology Management(MBA)及びNew York University, Steinhardt School (Ph.D)へ奨学生として留学。早稲田大学大学院国際情報通信研究科博士後期課程単位取得修了)
米国滞在中にベンチャー創業・売却を経験。日米のマイクロソフトを経て、マッキンゼー・アンド・カンパニーへ。その後、コンテンツ投資・プロデュース、国際展開支援を行うシンクの代表に転ずる。設立したファンドの償還に伴い、電通コンサルティングに参加。クライアントサービス全体を統括している。
鳥山 正博
立命館大学 教授
マーケティング / マーケティング・リサーチ / 商品開発
国際基督教大学卒(1983)、ノースウェスタン大学ケロッグ校MBA (1988)、東京工業大学大学院修了、工学博士(2009)。1983より2011まで(株)野村総合研究所にて経営コンサルティングに従事。 業種は製薬・自動車・小売・メディア・エンタテインメント・通信・金融等と幅広く、マーケティング戦略・組織を中心にコンサルテーションを行う。とりわけテクノロジーベースのマーケティングイノベーションと新マーケティングリサーチインフラの構築が関心領域。マーケティングリサーチ・メディア・小売領域でビジネスモデル特許出願多数。
藤元健太郎
1993年からインターネットビジネスの研究を開始し,1994年に野村総合研究所で日本最初のサイバービジネス実験サイトであるサイバービジネスパークをトータルプロデューサーとして立ち上げた。2002年からD4DRを立ち上げ代表に就任。ITによる社会システム革新やマーケティングイノベーションに関わる多くのプロジェクトに関わる。最近では行動情報マーケティング,オムニチャネル戦略などをテーマにしたものが多い。青山学院大学大学院EMBA非常勤講師,経済産業省産業構造審議会情報経済分科会委員なども歴任。現在日経MJや日経電子版で奔流eビジネス,CMO戦略企画室などを連載中。
伊藤文隆
アクシスコンサルティング株式会社 エグゼクティブコンサルタント/執行役員
製造業で営業・企画・ブランドマネジメント・事業部マネジメント等を10年経験した後、コンサルティング業界に特化した人材紹介会社の立上げに参画。アクシスコンサルティング入社後も引き続きコンサルティング業界を中心としたキャリア支援に強みを持ち、特にマネージャ~パートナークラスの転職サポート実績が豊富。過去に転職サポートした方からの求人依頼も多く、独自のネットワークを築いており、コンサルティング業界からのEXITにも強みを持つ。
www.kwlabo.com
プロフィール
森 祐治
電通コンサルティング 取締役・シニアディレクター
国際基督教大学(ICU)教養学部卒業後、日本電信電話を経てICU大学院博士前期課程修了。同大の助手を経て、Golden Gate University, Graduate School of Technology Management(MBA)及びNew York University, Steinhardt School (Ph.D)へ奨学生として留学。早稲田大学大学院国際情報通信研究科博士後期課程単位取得修了)
米国滞在中にベンチャー創業・売却を経験。日米のマイクロソフトを経て、マッキンゼー・アンド・カンパニーへ。その後、コンテンツ投資・プロデュース、国際展開支援を行うシンクの代表に転ずる。設立したファンドの償還に伴い、電通コンサルティングに参加。クライアントサービス全体を統括している。
鳥山 正博
立命館大学 教授
マーケティング / マーケティング・リサーチ / 商品開発
国際基督教大学卒(1983)、ノースウェスタン大学ケロッグ校MBA (1988)、東京工業大学大学院修了、工学博士(2009)。1983より2011まで(株)野村総合研究所にて経営コンサルティングに従事。 業種は製薬・自動車・小売・メディア・エンタテインメント・通信・金融等と幅広く、マーケティング戦略・組織を中心にコンサルテーションを行う。とりわけテクノロジーベースのマーケティングイノベーションと新マーケティングリサーチインフラの構築が関心領域。マーケティングリサーチ・メディア・小売領域でビジネスモデル特許出願多数。
藤元健太郎
1993年からインターネットビジネスの研究を開始し,1994年に野村総合研究所で日本最初のサイバービジネス実験サイトであるサイバービジネスパークをトータルプロデューサーとして立ち上げた。2002年からD4DRを立ち上げ代表に就任。ITによる社会システム革新やマーケティングイノベーションに関わる多くのプロジェクトに関わる。最近では行動情報マーケティング,オムニチャネル戦略などをテーマにしたものが多い。青山学院大学大学院EMBA非常勤講師,経済産業省産業構造審議会情報経済分科会委員なども歴任。現在日経MJや日経電子版で奔流eビジネス,CMO戦略企画室などを連載中。
伊藤文隆
アクシスコンサルティング株式会社 エグゼクティブコンサルタント/執行役員
製造業で営業・企画・ブランドマネジメント・事業部マネジメント等を10年経験した後、コンサルティング業界に特化した人材紹介会社の立上げに参画。アクシスコンサルティング入社後も引き続きコンサルティング業界を中心としたキャリア支援に強みを持ち、特にマネージャ~パートナークラスの転職サポート実績が豊富。過去に転職サポートした方からの求人依頼も多く、独自のネットワークを築いており、コンサルティング業界からのEXITにも強みを持つ。
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スピーカープロフィール
森 祐治
電通コンサルティング 取締役・シニアディレクター
国際基督教大学(ICU)教養学部卒業後、日本電信電話を経てICU大学院博士前期課程修了。同大の助手を経て、Golden Gate University, Graduate School of Technology Management(MBA)及びNew York University, Steinhardt School (Ph.D)へ奨学生として留学。早稲田大学大学院国際情報通信研究科博士後期課程単位取得修了。)
米国滞在中にベンチャー創業・売却を経験。日米のマイクロソフトを経て、マッキンゼー・アンド・カンパニーへ。その後、コンテンツ投資・プロデュース、国際展開支援を行うシンクの代表に転ずる。設立したファンドの償還に伴い、電通コンサルティングに参加。クライアントサービス全体を統括している。
鳥山 正博
立命館大学 教授
マーケティング / マーケティング・リサーチ / 商品開発
国際基督教大学卒(1983)、ノースウェスタン大学ケロッグ校MBA (1988)、東京工業大学大学院修了、工学博士(2009)。1983より2011まで(株)野村総合研究所にて経営コンサルティングに従事。 業種は製薬・自動車・小売・メディア・エンタテインメント・通信・金融等と幅広く、マーケティング戦略・組織を中心にコンサルテーションを行う。とりわけテクノロジーベースのマーケティングイノベーションと新マーケティングリサーチインフラの構築が関心領域。マーケティングリサーチ・メディア・小売領域でビジネスモデル特許出願多数。
藤元健太郎
ディーフォーディーアール 代表取締役
1993年からインターネットビジネスの研究を開始し,1994年に野村総合研究所で日本最初のサイバービジネス実験サイトであるサイバービジネスパークをトータルプロデューサーとして立ち上げた。2002年からD4DRを立ち上げ代表に就任。ITによる社会システム革新やマーケティングイノベーションに関わる多くのプロジェクトに関わる。最近では行動情報マーケティング,オムニチャネル戦略などをテーマにしたものが多い。青山学院大学大学院EMBA非常勤講師,経済産業省産業構造審議会情報経済分科会委員なども歴任。現在日経MJや日経電子版で奔流eビジネス,CMO戦略企画室などを連載中。
伊藤文隆
アクシスコンサルティング株式会社 エグゼクティブコンサルタント/執行役員
製造業で営業・企画・ブランドマネジメント・事業部マネジメント等を10年経験した後、コンサルティング業界に特化した人材紹介会社の立上げに参画。アクシスコンサルティング入社後も引き続きコンサルティング業界を中心としたキャリア支援に強みを持ち、特にマネージャ~パートナークラスの転職サポート実績が豊富。過去に転職サポートした方からの求人依頼も多く、独自のネットワークを築いており、コンサルティング業界からのEXITにも強みを持つ。
www.kwlabo.com
座談会:コンサルタントというキャリアの虚実〜単に頭がいいだけの人と、社会を変える人との分かれ目とは?(第2回) - ナレッジワーカーラボ
知識と経験で企業の課題を解決していくコンサルタントはナレッジワーカーの代表的な職種である。近年は、コンサルティングファーム出身のコンサルタントだけでなく、メーカーや商社などにおいて専門性を磨いた後、コンサルタントとして活躍するケースも増えてきている。
そこで、ナレッジワーカーラボでは様々な立場でコンサルティング/コンサルタントに関わる、電通コンサルティング 森佑治氏、立命館大学 鳥山正博氏、アクシスコンサルティング 伊藤文隆氏、D4DR 藤元健太郎の4名で座談会を行い、コンサルタントの現状と未来を語った。(全4回)
第2回 求む「起業して失敗した人」
勝ちパターンを捨て、成長機会を手に入れる
藤元:コンサルタントとしてキャリアを積む上で、何を意識するとよいでしょう。
鳥山:若い時には多様な業種や職種を見て、いろいろな経験ができるような環境に自分をおくことです。一回経験した成功パターンを常に繰り返しているようでは鍛えられません。
伊藤:経験という話でいくと、最近コンサルティングファームからこんなニーズがありました。「起業して失敗した人はいないか。サラリーマンの経験はなくてもいい」。つまり、自ら挑戦したという経験が重視されているのでしょうね。
アクシスコンサルティング 伊藤文隆
鳥山:コンサルティングファームには、黙っていても偏差値秀才ばかりが集まりますが、言われたことだけ誰よりも優秀にこなすという人ばかりだと、イノベーションは生まれません。
森:最近、外資の大手コンサルティングファームは、一度辞めた人を受け入れるようになってきています。本国のほうでは一般的でしたが、日本ではほとんどありませんでした。
電通コンサルティング 森佑治
鳥山:私も野村総合研究所を一度辞めて、1年後にまた戻りました。当時は珍しかったのですが、今では当たり前になってきていますね。
出世コースより挑戦コース
藤元:経験を積んで起業するコンサルタントがいる一方で、社会人大学院でMBAなどを勉強し、知識を構造化して整理する人もいますね。
鳥山:MBAは一度社会に出た後に学ぶことをお勧めします。大学を卒業しばかりの人でMBAのコースに来て成績が上がっているケースもありますが、ビジネスの経験がないのでやはりピンとこない人が多いような気がします。自分のお金で、働きながらMBAを勉強する人はモチベーションが高いし、問題意識もシャープです。
立命館大学 鳥山正博
藤元:優秀な人が大企業に入り、MBAを取得してから他の企業へ転職してしまうケースも、よくありますね。大企業は地頭がよくて、ポテンシャルの高い人にとっては、物足りないのでしょうか。
鳥山:ほとんどの大企業には出世が約束された「保守本流」などと言われるキャリアのステップがあります。逆説的ですが、この安定的な「本流」に乗せることで、多くの良い人材をダメにしてしまいます。
森:優秀な人材は企業から一度コンサルティングファームへ転職させてみるといいでしょうね。経験を積んだ後、また自分の会社に戻ってきてもらうと、良い仕事をすると思います。
鳥山:ひとつの会社の中で育てる場合は、海外の支社へ行かせてしまうのがいいでしょう。自分で全て考えて、自分自身が動かなければいけない環境におかないと成長しません。
藤元:商社は昔そうでしたね。一時期なくなりましたが、最近また復活したと聞きます。
鳥山:私はNTTが賢い投資をしていると思います。これには、ちょっと解説が必要ですね。「なぜ、そんな会社まで買うのかと」言われるほど企業を次々と買収しており、私はその投資が全て正しいと言っている訳ではありません。NTTはこれらの会社に有望な人材を経営者としてほうり込むことができるんですよ。結果的に、経営者になる実地訓練を受けた人を何人も抱えるにいたっているのです。
<第2回 了>
ディーフォーディーアール 藤元健太郎
座談会:コンサルタントというキャリアの虚実〜単に頭がいいだけの人と、社会を変える人との分かれ目とは?(第1回) - ナレッジワーカーラボ
第1回 ITベンチャーがコンサルタントを大量採用する本当の理由
知識と経験で企業の課題を解決していくコンサルタントはナレッジワーカーの代表的な職種である。近年は、コンサルティングファーム出身のコンサルタントだけでなく、メーカーや商社などにおいて専門性を磨いた後、コンサルタントとして活躍するケースも増えてきている。企業側も成長の加速のために、コンサルタントの知見を取り入れることに対して以前よりも積極的になっている。
活躍するコンサルタントはどのようなステップでキャリアを積んでいるのか、採用ニーズのトレンドは何か、給料等の具体的な話しも含めて4名で座談会を行った。メンバーはコンサルタントの最前線にいる電通コンサルティング 取締役シニア・ディレクター 森佑治氏、野村総研を経て立命館大学の教授をつとめる鳥山正博氏、コンサルタントをはじめとしたキャリアコンサルティングをてがける伊藤文隆氏、ナレッジワーカーラボ首席研究員であるコンサルタントのD4DR 藤元健太郎がモデレーターをつとめた。(全4回)
優秀な人材を活用する近道
藤元:日本でもコンサルタントという職種が増えてきているように思いますが、社会的に重要性が増してきていると思いますか。
鳥山:日本も増えてはいますが、アメリカのほうが数は圧倒的に多いですね。アメリカでは、日本では内製化したがる企業のプランニングの部分、企画や戦略をコンサルタントに依頼することが一般的だからでしょう。
立命館大学 教授 鳥山正博
藤元:アメリカのコンサルタントの働き方は主に2種類あります。ひとつは、コンサルティングファームに所属するコンサルタント。もうひとつはインディペンデント・コントラクターという独立系で、企業からプロジェクトを委託され、場合によってはその会社の名刺を持って動きます。アメリカは両方とも数多く存在します。
森:また、アメリカでは活躍する分野も幅広いですよね。以前インディペンデントのサイエンティストという人に会ったことがあります。彼はR&Dのコンサルタントをしていました。
電通コンサルティング 森 祐治
藤元:アメリカがプランニングを積極的にコンサルティングに外注する背景には、その部分をになう人材を採用・教育するより、コンサルタントに依頼するほうがコストは安いからでしょうか。
鳥山:確かに優秀な人を雇用することは、一般の会社では給料面から見て難しいという背景はあります。また、ゼロから育てても辞められてしまったらコストが無駄になります。すでに知識や経験のある人を、必要な時に市場で調達しても効果はかわらないとアメリカの多くの企業は考えるのです。
そして、アメリカでは経営者の流動性が高いので、一緒にコンサルタントも移動します。新しく移った会社でも戦略を実行してくれるコンサルタントが必要だからです。
鳥山:日本のコンサルタントの状況をキャリアコンサルタントの立場からどのように見ていますか。
伊藤:ひと言でコンサルタントと言っても、実は少し得意分野が異なります。日本でイメージするコンサルタントは経営戦略を得意とする人ですが、BPRの業務を得意とするアウトソーサー的なコンサルタントもいて、その数もかなり多い。
森:確かに、日本はIT出身のコンサルタントが多く、業務改善をしてコストダウンをするタイプのコンサルタントの比重が高いですね。
アクシスコンサルティング 伊藤文隆
ベンチャーがコンサルタントを採用する訳とは?
藤元:今は、どのような場面でコンサルタントが活躍していますか。
森:日本企業では消費材や自動車、オーナー系企業など、海外で闘うことを宿命づけられたところはコンサルティング・ファーム出身者を積極期に採用しています。日本国内だけを見ている会社で、コンサルタントをその能力を活かす形で採用しているところは、あまりないですね。
鳥山:引き抜こうとしても、給料が高過ぎて難しい。
藤元:成長するITベンチャーには、コンサルタント経験者が重宝されている感じがします。
伊藤:おっしゃるとおり、成長ステージに入ったインターネット系を中心とするITベンチャーには、コンサルタントのニーズが高い。特に、初期にイメージしていた経営計画よりも急成長した会社に必要とされています。コンサルタント経験者を採用して、組織整備を進めていくので、この場合はBPRが得意な人が適していますね。
藤元:ITベンチャーに採用されたコンサルタントは活躍していますか。
伊藤:全てが上手くいっているとは限りません。トップや経営層がコンサルティングファーム出身者の企業はコンサルタントの採用・活用が上手ですね。某大手インターネット企業もコンサルタント経験者をしっかり活用しています。そのあたりを意識して見きわめていくと活躍の場を広げていくことができるのではないでしょうか。
森:コンサルタントを使いこなせないITベンチャーの経営者も多いですよね。けんか別れしてしまう。
伊藤:最近のトレンドとして、ITベンチャーはコンサルティングファームの第二新卒を希望する会社が増えているんですよ。年収500~600万円程度で、頭の回転が速く、がむしゃらに働くストレス耐性のある人。
ディーフォーディーアール 藤元健太郎
藤元:確かに自社で新卒採用の手間とコストを考えると、間違いなく優秀で社会人としての教育もされている魅力的な人材を効率的に確保できそうですね。
鳥山:有名大学の学生は、新卒の時にベンチャーに関心を持たなくても、2~3年仕事をするとその魅力が見えてくるのでしょう。
<第1回 了>
> 第2回 求む「起業して失敗した人」
スピーカープロフィール
森 祐治
電通コンサルティング 取締役・シニアディレクター
国際基督教大学(ICU)教養学部卒業後、日本電信電話を経てICU大学院博士前期課程修了。同大の助手を経て、Golden Gate University, Graduate School of Technology Management(MBA)及びNew York University, Steinhardt School (Ph.D)へ奨学生として留学。早稲田大学大学院国際情報通信研究科博士後期課程単位取得修了。)
米国滞在中にベンチャー創業・売却を経験。日米のマイクロソフトを経て、マッキンゼー・アンド・カンパニーへ。その後、コンテンツ投資・プロデュース、国際展開支援を行うシンクの代表に転ずる。設立したファンドの償還に伴い、電通コンサルティングに参加。クライアントサービス全体を統括している。
鳥山 正博
立命館大学 教授
マーケティング / マーケティング・リサーチ / 商品開発
国際基督教大学卒(1983)、ノースウェスタン大学ケロッグ校MBA (1988)、東京工業大学大学院修了、工学博士(2009)。1983より2011まで(株)野村総合研究所にて経営コンサルティングに従事。 業種は製薬・自動車・小売・メディア・エンタテインメント・通信・金融等と幅広く、マーケティング戦略・組織を中心にコンサルテーションを行う。とりわけテクノロジーベースのマーケティングイノベーションと新マーケティングリサーチインフラの構築が関心領域。マーケティングリサーチ・メディア・小売領域でビジネスモデル特許出願多数。
藤元健太郎
ディーフォーディーアール 代表取締役
1993年からインターネットビジネスの研究を開始し,1994年に野村総合研究所で日本最初のサイバービジネス実験サイトであるサイバービジネスパークをトータルプロデューサーとして立ち上げた。2002年からD4DRを立ち上げ代表に就任。ITによる社会システム革新やマーケティングイノベーションに関わる多くのプロジェクトに関わる。最近では行動情報マーケティング,オムニチャネル戦略などをテーマにしたものが多い。青山学院大学大学院EMBA非常勤講師,経済産業省産業構造審議会情報経済分科会委員なども歴任。現在日経MJや日経電子版で奔流eビジネス,CMO戦略企画室などを連載中。
伊藤文隆
アクシスコンサルティング株式会社 エグゼクティブコンサルタント/執行役員
製造業で営業・企画・ブランドマネジメント・事業部マネジメント等を10年経験した後、コンサルティング業界に特化した人材紹介会社の立上げに参画。アクシスコンサルティング入社後も引き続きコンサルティング業界を中心としたキャリア支援に強みを持ち、特にマネージャ~パートナークラスの転職サポート実績が豊富。過去に転職サポートした方からの求人依頼も多く、独自のネットワークを築いており、コンサルティング業界からのEXITにも強みを持つ。
www.kwlabo.com
プロフィール
森 祐治
電通コンサルティング 取締役・シニアディレクター
国際基督教大学(ICU)教養学部卒業後、日本電信電話を経てICU大学院博士前期課程修了。同大の助手を経て、Golden Gate University, Graduate School of Technology Management(MBA)及びNew York University, Steinhardt School (Ph.D)へ奨学生として留学。早稲田大学大学院国際情報通信研究科博士後期課程単位取得修了。)
米国滞在中にベンチャー創業・売却を経験。日米のマイクロソフトを経て、マッキンゼー・アンド・カンパニーへ。その後、コンテンツ投資・プロデュース、国際展開支援を行うシンクの代表に転ずる。設立したファンドの償還に伴い、電通コンサルティングに参加。クライアントサービス全体を統括している。
鳥山 正博
立命館大学 教授
マーケティング / マーケティング・リサーチ / 商品開発
国際基督教大学卒(1983)、ノースウェスタン大学ケロッグ校MBA (1988)、東京工業大学大学院修了、工学博士(2009)。1983より2011まで(株)野村総合研究所にて経営コンサルティングに従事。 業種は製薬・自動車・小売・メディア・エンタテインメント・通信・金融等と幅広く、マーケティング戦略・組織を中心にコンサルテーションを行う。とりわけテクノロジーベースのマーケティングイノベーションと新マーケティングリサーチインフラの構築が関心領域。マーケティングリサーチ・メディア・小売領域でビジネスモデル特許出願多数。
藤元健太郎
1993年からインターネットビジネスの研究を開始し,1994年に野村総合研究所で日本最初のサイバービジネス実験サイトであるサイバービジネスパークをトータルプロデューサーとして立ち上げた。2002年からD4DRを立ち上げ代表に就任。ITによる社会システム革新やマーケティングイノベーションに関わる多くのプロジェクトに関わる。最近では行動情報マーケティング,オムニチャネル戦略などをテーマにしたものが多い。青山学院大学大学院EMBA非常勤講師,経済産業省産業構造審議会情報経済分科会委員なども歴任。現在日経MJや日経電子版で奔流eビジネス,CMO戦略企画室などを連載中。
伊藤文隆
アクシスコンサルティング株式会社 エグゼクティブコンサルタント/執行役員
製造業で営業・企画・ブランドマネジメント・事業部マネジメント等を10年経験した後、コンサルティング業界に特化した人材紹介会社の立上げに参画。アクシスコンサルティング入社後も引き続きコンサルティング業界を中心としたキャリア支援に強みを持ち、特にマネージャ~パートナークラスの転職サポート実績が豊富。過去に転職サポートした方からの求人依頼も多く、独自のネットワークを築いており、コンサルティング業界からのEXITにも強みを持つ。
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座談会:コンサルタントというキャリアの虚実〜単に頭がいいだけの人と、社会を変える人との分かれ目とは?(第3回) - ナレッジワーカーラボ
第3回 末は教授か経営者、は本当か?〜コンサルタントのキャリアステップ
大学で教えるためには「論文」と「博士号」
藤元:この10年、日本でも増えてきた「コンサルタント」ですが、そのキャリアステップについては、どのような可能性があるでしょうか。
鳥山:私のように大学で教えることは、選択肢のひとつでしょう。大学には研究を続けてきたアカデミック教員と、企業で働いた経験のある実務家教員がいます。学生には実務家教員のほうが評判が良いですよ。給料は高くありませんが、若い人に教えるというやりがいのある職場です。
非常勤で教えた経験は実績としてあまり考慮されません。本気で大学で教えたいと考える人は、学会で論文発表をして博士号を取るべきです。採用を検討する際には様々な分野の教員が関わるので、最終的には査読付き論文の数と学位が採用の判断基準になります。
森:MBAを取得できる一橋大学大学院 商学研究科経営学修士コースや早稲田大学ビジネススクールには、コンサルティングファームのトップ経験者が教授陣として揃っていますよね。
鳥山:そうですね。日本の大学の状況を把握しておく必要もあるでしょうね。例えばITの分野は、日本の大学側がコンサルタントの受け入れ態勢がまだ弱いですね。
森: 技術版のMBAといわれるMOT(Management of Technology)もこれからですね。むしろ、理系トップスクールの経営/管理工学系大学院や、東京大学工学部 システム創成学科や慶應義塾大学の大学院システムデザインマネジメントなど良いところがいくつか出てきているかと思います。日本の理系の人が、社会課題についてもっと関心を寄せるようになるといいですね。あらゆる場面で日本はサイエンスが足りません。計量して分析することが日本では民間も大学も弱い。
藤元:日本の製造業の生産性は高まりましたが、サービスサイエンスは進んでいませんよね。サービス業はウォルマートなどのアメリカの先進事例を常に真似していればよかったからでしょう。
森:製造業はむしろ日本がリードしていたので、自ら改善して前へ進まなければいけなかったんですよね。
地方の優良企業の経営者という道
藤元:どのような業界から、コンサルタントのニーズはありますか?
伊藤:コンサルタントを採用できる業界は限定されますね。一番の要因は給料です。コンサルティングファーム出身の35歳を採用する場合、給料は通常1000万円を超えます。
SPAをてがける大手アパレルレベルになればコンサルタントの採用に積極的ですが、一般的には内資のサービス・流通・小売りの給与水準では採用は難しい。
藤元:地方の優良はどうでしょう?事業継承に困っている企業に社長として入る。
鳥山:潜在的なニーズはありますが、全てのコンサルタントが適しているとは言えません。
コンサルタントと経営者は同じ経営用語を使って会話をしていても、行動原理は相当違います。経営者はリスクを取るのが仕事ですが、そのリスクを取らせないようにするのがコンサルタントの役割です。
また、コンサルタントは自分がタダ働きをする程度のリスクすらも取らないのです。
コンサルタントも、経験を積むうちにリスクを取って決める覚悟を固め、一皮むければ良い経営者になるでしょう。
森:まずは社長室などで実績を出すのが良いかもしれませんね。
世襲の会社にアドバイザーとして入り、社長は会長で残るという体制も上手くいくかもしれません。コンサルタントには、二代目と仲良くなれるタイプの人が多いですからね。
年齢と年収のせめぎあい
藤元:コンサルタントが独立すると、どのような仕事がありますか。
伊藤:コンサルタントとして独立した場合、50歳を過ぎて特にこれといった強みが無いと、仕事は減るケースが多いですね。しかし、自分で営業できる人は年令に関係なく仕事があります。そのあたりを意識して将来像を描きながらチャレンジしていけば可能性も広がるでしょう。
森:長年働いたコンサルティングファームを辞めた後、大学などの教職以外には、フリーのコンサルタント、あるいは事業会社でビジネスをリードするという選択肢もあります。単に社長になりたいだけであれば、雇われ社長になったほうができる範囲も広く、大きな事業を動かせます。
私個人の関心でもあるのですが「社会的なインパクトをどれくらい与えることができるか」ということが大切だと思います。会社に数億円を儲けさせたことより、社会的に影響のあるEVのようなイノベーションを生み出せるかどうか。それを実現できる可能性があるなら、挑戦すればいいと思います。
藤元:意思と意欲の高い未成年の若者の事業計画と、コンサルティング経験者のストーリーが美しい事業計画があった場合、どちらを選びますか。
森:両方兼ね備えているほうがいいですね(笑)。選ぶとなれば前者です。ローリスクローリターンのほうが試しやすいし、やり直しも利きやすい。
藤元:コンサルタントであれば、CXO的な役割で経営者のヴィジョンをサポートできますよね。
伊藤: CXOのサポート的な役割を期待してコンサルタント経験者を積極採用している企業も多いです。募集年齢は企業によって異なりますが、35歳~40 代前半位が多いですね。
コンサルタントの場合、年齢が上がると年収も事業会社との乖離が広がります。例えば、40歳のコンサルタントであればIT系で1500万円くらい(シニア・マネージャー)の年収ですし、戦略系だと2000~3000万円くらいです。事業会社への転職はコンサルタントが事業会社側に合わせて年収を下げられるかどうかも鍵になります。
ただ事業会社への転職を希望してくるコンサルタントの多くは、転職理由が明確ではないのです。でも「いやなこと」ははっきり言う。「金融とITはいやです」とか(笑)。事業会社へ移る動機が明確ではないから、年収も柔軟に対応できない。
藤元:事業会社に入って、成功するコンサルタントの特徴はありますか。
伊藤:意外かもしれませんが、安定志向の人は事業会社へ移ると失敗するケースが多いです。上手くいっている人はチャレンジングな人ですね。採用する企業としても成長戦略を実現するなり、何かを変革するためにコンサルタント経験者を採用するわけですから。安定を望むのであれば、最近ではワーク・ライフ・バランスが取れたり、定年まで働けるファームもあるので、今までの経験をそのまま活かせるコンサルタントのままでいたほうがいいと思います。
森:外資系企業を渡り歩く「外資回遊系」の人もいますよね。
伊藤:人気があるのはGE、P&Gなどの外資系企業です。しかし採用人数も多くないのでそこへ転職できるコンサルタントは意外と少ないです。少し話はそれますが、例えば大手企業から戦略ファームに移り、数年後に事業会社へ転職しようとした場合、年収も含めてさらにキャリアアップするのは機会を捉えないと難しいですね。
藤元:年収が上がるので、行き場がないのでしょうね。IT系は厳しいですか?
伊藤:先ほどもお話ししましたがIT系コンサルタントの場合でも、例えば総合系ファームのシニア・マネージャーになると年収が1500万円位になります。採用する事業会社からしてみれば、その人でないといけない、というスペシャリティが欲しいわけです。ですから、例えばITコンサルタントをしてきた方が40歳前にして「事業会社で経営企画をやりたい」と言っても難しいです。
IT系のコンサルタントの場合、ひとつの選択肢としてベンダーやSIerの管理職につくというのもあります。部長職くらいで入り、定年くらいまで在職する。上流行程の提案もでき、営業もできるから重宝されるでしょう。
森:ただし、SIerのビジネスが構造的に全般的に厳しくなってきているという状況があることも考慮しないといけませんよね。
<第3回 了>
座談会:コンサルタントというキャリアの虚実〜単に頭がいいだけの人と、社会を変える人との分かれ目とは?(第1回) - ナレッジワーカーラボ
第1回 ITベンチャーがコンサルタントを大量採用する本当の理由
知識と経験で企業の課題を解決していくコンサルタントはナレッジワーカーの代表的な職種である。近年は、コンサルティングファーム出身のコンサルタントだけでなく、メーカーや商社などにおいて専門性を磨いた後、コンサルタントとして活躍するケースも増えてきている。企業側も成長の加速のために、コンサルタントの知見を取り入れることに対して以前よりも積極的になっている。
活躍するコンサルタントはどのようなステップでキャリアを積んでいるのか、採用ニーズのトレンドは何か、給料等の具体的な話しも含めて4名で座談会を行った。メンバーはコンサルタントの最前線にいる電通コンサルティング 取締役シニア・ディレクター 森佑治氏、野村総研を経て立命館大学の教授をつとめる鳥山正博氏、コンサルタントをはじめとしたキャリアコンサルティングをてがける伊藤文隆氏、ナレッジワーカーラボ首席研究員であるコンサルタントのD4DR 藤元健太郎がモデレーターをつとめた。(全4回)
優秀な人材を活用する近道
藤元:日本でもコンサルタントという職種が増えてきているように思いますが、社会的に重要性が増してきていると思いますか。
鳥山:日本も増えてはいますが、アメリカのほうが数は圧倒的に多いですね。アメリカでは、日本では内製化したがる企業のプランニングの部分、企画や戦略をコンサルタントに依頼することが一般的だからでしょう。
立命館大学 教授 鳥山正博
藤元:アメリカのコンサルタントの働き方は主に2種類あります。ひとつは、コンサルティングファームに所属するコンサルタント。もうひとつはインディペンデント・コントラクターという独立系で、企業からプロジェクトを委託され、場合によってはその会社の名刺を持って動きます。アメリカは両方とも数多く存在します。
森:また、アメリカでは活躍する分野も幅広いですよね。以前インディペンデントのサイエンティストという人に会ったことがあります。彼はR&Dのコンサルタントをしていました。
電通コンサルティング 森 祐治
藤元:アメリカがプランニングを積極的にコンサルティングに外注する背景には、その部分をになう人材を採用・教育するより、コンサルタントに依頼するほうがコストは安いからでしょうか。
鳥山:確かに優秀な人を雇用することは、一般の会社では給料面から見て難しいという背景はあります。また、ゼロから育てても辞められてしまったらコストが無駄になります。すでに知識や経験のある人を、必要な時に市場で調達しても効果はかわらないとアメリカの多くの企業は考えるのです。
そして、アメリカでは経営者の流動性が高いので、一緒にコンサルタントも移動します。新しく移った会社でも戦略を実行してくれるコンサルタントが必要だからです。
鳥山:日本のコンサルタントの状況をキャリアコンサルタントの立場からどのように見ていますか。
伊藤:ひと言でコンサルタントと言っても、実は少し得意分野が異なります。日本でイメージするコンサルタントは経営戦略を得意とする人ですが、BPRの業務を得意とするアウトソーサー的なコンサルタントもいて、その数もかなり多い。
森:確かに、日本はIT出身のコンサルタントが多く、業務改善をしてコストダウンをするタイプのコンサルタントの比重が高いですね。
アクシスコンサルティング 伊藤文隆
ベンチャーがコンサルタントを採用する訳とは?
藤元:今は、どのような場面でコンサルタントが活躍していますか。
森:日本企業では消費材や自動車、オーナー系企業など、海外で闘うことを宿命づけられたところはコンサルティング・ファーム出身者を積極期に採用しています。日本国内だけを見ている会社で、コンサルタントをその能力を活かす形で採用しているところは、あまりないですね。
鳥山:引き抜こうとしても、給料が高過ぎて難しい。
藤元:成長するITベンチャーには、コンサルタント経験者が重宝されている感じがします。
伊藤:おっしゃるとおり、成長ステージに入ったインターネット系を中心とするITベンチャーには、コンサルタントのニーズが高い。特に、初期にイメージしていた経営計画よりも急成長した会社に必要とされています。コンサルタント経験者を採用して、組織整備を進めていくので、この場合はBPRが得意な人が適していますね。
藤元:ITベンチャーに採用されたコンサルタントは活躍していますか。
伊藤:全てが上手くいっているとは限りません。トップや経営層がコンサルティングファーム出身者の企業はコンサルタントの採用・活用が上手ですね。某大手インターネット企業もコンサルタント経験者をしっかり活用しています。そのあたりを意識して見きわめていくと活躍の場を広げていくことができるのではないでしょうか。
森:コンサルタントを使いこなせないITベンチャーの経営者も多いですよね。けんか別れしてしまう。
伊藤:最近のトレンドとして、ITベンチャーはコンサルティングファームの第二新卒を希望する会社が増えているんですよ。年収500~600万円程度で、頭の回転が速く、がむしゃらに働くストレス耐性のある人。
ディーフォーディーアール 藤元健太郎
藤元:確かに自社で新卒採用の手間とコストを考えると、間違いなく優秀で社会人としての教育もされている魅力的な人材を効率的に確保できそうですね。
鳥山:有名大学の学生は、新卒の時にベンチャーに関心を持たなくても、2~3年仕事をするとその魅力が見えてくるのでしょう。
<第1回 了>
> 第2回 求む「起業して失敗した人」
スピーカープロフィール
森 祐治
電通コンサルティング 取締役・シニアディレクター
国際基督教大学(ICU)教養学部卒業後、日本電信電話を経てICU大学院博士前期課程修了。同大の助手を経て、Golden Gate University, Graduate School of Technology Management(MBA)及びNew York University, Steinhardt School (Ph.D)へ奨学生として留学。早稲田大学大学院国際情報通信研究科博士後期課程単位取得修了。)
米国滞在中にベンチャー創業・売却を経験。日米のマイクロソフトを経て、マッキンゼー・アンド・カンパニーへ。その後、コンテンツ投資・プロデュース、国際展開支援を行うシンクの代表に転ずる。設立したファンドの償還に伴い、電通コンサルティングに参加。クライアントサービス全体を統括している。
鳥山 正博
立命館大学 教授
マーケティング / マーケティング・リサーチ / 商品開発
国際基督教大学卒(1983)、ノースウェスタン大学ケロッグ校MBA (1988)、東京工業大学大学院修了、工学博士(2009)。1983より2011まで(株)野村総合研究所にて経営コンサルティングに従事。 業種は製薬・自動車・小売・メディア・エンタテインメント・通信・金融等と幅広く、マーケティング戦略・組織を中心にコンサルテーションを行う。とりわけテクノロジーベースのマーケティングイノベーションと新マーケティングリサーチインフラの構築が関心領域。マーケティングリサーチ・メディア・小売領域でビジネスモデル特許出願多数。
藤元健太郎
ディーフォーディーアール 代表取締役
1993年からインターネットビジネスの研究を開始し,1994年に野村総合研究所で日本最初のサイバービジネス実験サイトであるサイバービジネスパークをトータルプロデューサーとして立ち上げた。2002年からD4DRを立ち上げ代表に就任。ITによる社会システム革新やマーケティングイノベーションに関わる多くのプロジェクトに関わる。最近では行動情報マーケティング,オムニチャネル戦略などをテーマにしたものが多い。青山学院大学大学院EMBA非常勤講師,経済産業省産業構造審議会情報経済分科会委員なども歴任。現在日経MJや日経電子版で奔流eビジネス,CMO戦略企画室などを連載中。
伊藤文隆
アクシスコンサルティング株式会社 エグゼクティブコンサルタント/執行役員
製造業で営業・企画・ブランドマネジメント・事業部マネジメント等を10年経験した後、コンサルティング業界に特化した人材紹介会社の立上げに参画。アクシスコンサルティング入社後も引き続きコンサルティング業界を中心としたキャリア支援に強みを持ち、特にマネージャ~パートナークラスの転職サポート実績が豊富。過去に転職サポートした方からの求人依頼も多く、独自のネットワークを築いており、コンサルティング業界からのEXITにも強みを持つ。
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座談会:コンサルタントというキャリアの虚実〜単に頭がいいだけの人と、社会を変える人との分かれ目とは?(第2回) - ナレッジワーカーラボ
知識と経験で企業の課題を解決していくコンサルタントはナレッジワーカーの代表的な職種である。近年は、コンサルティングファーム出身のコンサルタントだけでなく、メーカーや商社などにおいて専門性を磨いた後、コンサルタントとして活躍するケースも増えてきている。
そこで、ナレッジワーカーラボでは様々な立場でコンサルティング/コンサルタントに関わる、電通コンサルティング 森佑治氏、立命館大学 鳥山正博氏、アクシスコンサルティング 伊藤文隆氏、D4DR 藤元健太郎の4名で座談会を行い、コンサルタントの現状と未来を語った。(全4回)
第2回 求む「起業して失敗した人」
勝ちパターンを捨て、成長機会を手に入れる
藤元:コンサルタントとしてキャリアを積む上で、何を意識するとよいでしょう。
鳥山:若い時には多様な業種や職種を見て、いろいろな経験ができるような環境に自分をおくことです。一回経験した成功パターンを常に繰り返しているようでは鍛えられません。
伊藤:経験という話でいくと、最近コンサルティングファームからこんなニーズがありました。「起業して失敗した人はいないか。サラリーマンの経験はなくてもいい」。つまり、自ら挑戦したという経験が重視されているのでしょうね。
アクシスコンサルティング 伊藤文隆
鳥山:コンサルティングファームには、黙っていても偏差値秀才ばかりが集まりますが、言われたことだけ誰よりも優秀にこなすという人ばかりだと、イノベーションは生まれません。
森:最近、外資の大手コンサルティングファームは、一度辞めた人を受け入れるようになってきています。本国のほうでは一般的でしたが、日本ではほとんどありませんでした。
電通コンサルティング 森佑治
鳥山:私も野村総合研究所を一度辞めて、1年後にまた戻りました。当時は珍しかったのですが、今では当たり前になってきていますね。
出世コースより挑戦コース
藤元:経験を積んで起業するコンサルタントがいる一方で、社会人大学院でMBAなどを勉強し、知識を構造化して整理する人もいますね。
鳥山:MBAは一度社会に出た後に学ぶことをお勧めします。大学を卒業しばかりの人でMBAのコースに来て成績が上がっているケースもありますが、ビジネスの経験がないのでやはりピンとこない人が多いような気がします。自分のお金で、働きながらMBAを勉強する人はモチベーションが高いし、問題意識もシャープです。
立命館大学 鳥山正博
藤元:優秀な人が大企業に入り、MBAを取得してから他の企業へ転職してしまうケースも、よくありますね。大企業は地頭がよくて、ポテンシャルの高い人にとっては、物足りないのでしょうか。
鳥山:ほとんどの大企業には出世が約束された「保守本流」などと言われるキャリアのステップがあります。逆説的ですが、この安定的な「本流」に乗せることで、多くの良い人材をダメにしてしまいます。
森:優秀な人材は企業から一度コンサルティングファームへ転職させてみるといいでしょうね。経験を積んだ後、また自分の会社に戻ってきてもらうと、良い仕事をすると思います。
鳥山:ひとつの会社の中で育てる場合は、海外の支社へ行かせてしまうのがいいでしょう。自分で全て考えて、自分自身が動かなければいけない環境におかないと成長しません。
藤元:商社は昔そうでしたね。一時期なくなりましたが、最近また復活したと聞きます。
鳥山:私はNTTが賢い投資をしていると思います。これには、ちょっと解説が必要ですね。「なぜ、そんな会社まで買うのかと」言われるほど企業を次々と買収しており、私はその投資が全て正しいと言っている訳ではありません。NTTはこれらの会社に有望な人材を経営者としてほうり込むことができるんですよ。結果的に、経営者になる実地訓練を受けた人を何人も抱えるにいたっているのです。
<第2回 了>
ディーフォーディーアール 藤元健太郎
座談会:コンサルタントというキャリアの虚実〜単に頭がいいだけの人と、社会を変える人との分かれ目とは?(第1回) - ナレッジワーカーラボ
第1回 ITベンチャーがコンサルタントを大量採用する本当の理由
知識と経験で企業の課題を解決していくコンサルタントはナレッジワーカーの代表的な職種である。近年は、コンサルティングファーム出身のコンサルタントだけでなく、メーカーや商社などにおいて専門性を磨いた後、コンサルタントとして活躍するケースも増えてきている。企業側も成長の加速のために、コンサルタントの知見を取り入れることに対して以前よりも積極的になっている。
活躍するコンサルタントはどのようなステップでキャリアを積んでいるのか、採用ニーズのトレンドは何か、給料等の具体的な話しも含めて4名で座談会を行った。メンバーはコンサルタントの最前線にいる電通コンサルティング 取締役シニア・ディレクター 森佑治氏、野村総研を経て立命館大学の教授をつとめる鳥山正博氏、コンサルタントをはじめとしたキャリアコンサルティングをてがける伊藤文隆氏、ナレッジワーカーラボ首席研究員であるコンサルタントのD4DR 藤元健太郎がモデレーターをつとめた。(全4回)
優秀な人材を活用する近道
藤元:日本でもコンサルタントという職種が増えてきているように思いますが、社会的に重要性が増してきていると思いますか。
鳥山:日本も増えてはいますが、アメリカのほうが数は圧倒的に多いですね。アメリカでは、日本では内製化したがる企業のプランニングの部分、企画や戦略をコンサルタントに依頼することが一般的だからでしょう。
立命館大学 教授 鳥山正博
藤元:アメリカのコンサルタントの働き方は主に2種類あります。ひとつは、コンサルティングファームに所属するコンサルタント。もうひとつはインディペンデント・コントラクターという独立系で、企業からプロジェクトを委託され、場合によってはその会社の名刺を持って動きます。アメリカは両方とも数多く存在します。
森:また、アメリカでは活躍する分野も幅広いですよね。以前インディペンデントのサイエンティストという人に会ったことがあります。彼はR&Dのコンサルタントをしていました。
電通コンサルティング 森 祐治
藤元:アメリカがプランニングを積極的にコンサルティングに外注する背景には、その部分をになう人材を採用・教育するより、コンサルタントに依頼するほうがコストは安いからでしょうか。
鳥山:確かに優秀な人を雇用することは、一般の会社では給料面から見て難しいという背景はあります。また、ゼロから育てても辞められてしまったらコストが無駄になります。すでに知識や経験のある人を、必要な時に市場で調達しても効果はかわらないとアメリカの多くの企業は考えるのです。
そして、アメリカでは経営者の流動性が高いので、一緒にコンサルタントも移動します。新しく移った会社でも戦略を実行してくれるコンサルタントが必要だからです。
鳥山:日本のコンサルタントの状況をキャリアコンサルタントの立場からどのように見ていますか。
伊藤:ひと言でコンサルタントと言っても、実は少し得意分野が異なります。日本でイメージするコンサルタントは経営戦略を得意とする人ですが、BPRの業務を得意とするアウトソーサー的なコンサルタントもいて、その数もかなり多い。
森:確かに、日本はIT出身のコンサルタントが多く、業務改善をしてコストダウンをするタイプのコンサルタントの比重が高いですね。
アクシスコンサルティング 伊藤文隆
ベンチャーがコンサルタントを採用する訳とは?
藤元:今は、どのような場面でコンサルタントが活躍していますか。
森:日本企業では消費材や自動車、オーナー系企業など、海外で闘うことを宿命づけられたところはコンサルティング・ファーム出身者を積極期に採用しています。日本国内だけを見ている会社で、コンサルタントをその能力を活かす形で採用しているところは、あまりないですね。
鳥山:引き抜こうとしても、給料が高過ぎて難しい。
藤元:成長するITベンチャーには、コンサルタント経験者が重宝されている感じがします。
伊藤:おっしゃるとおり、成長ステージに入ったインターネット系を中心とするITベンチャーには、コンサルタントのニーズが高い。特に、初期にイメージしていた経営計画よりも急成長した会社に必要とされています。コンサルタント経験者を採用して、組織整備を進めていくので、この場合はBPRが得意な人が適していますね。
藤元:ITベンチャーに採用されたコンサルタントは活躍していますか。
伊藤:全てが上手くいっているとは限りません。トップや経営層がコンサルティングファーム出身者の企業はコンサルタントの採用・活用が上手ですね。某大手インターネット企業もコンサルタント経験者をしっかり活用しています。そのあたりを意識して見きわめていくと活躍の場を広げていくことができるのではないでしょうか。
森:コンサルタントを使いこなせないITベンチャーの経営者も多いですよね。けんか別れしてしまう。
伊藤:最近のトレンドとして、ITベンチャーはコンサルティングファームの第二新卒を希望する会社が増えているんですよ。年収500~600万円程度で、頭の回転が速く、がむしゃらに働くストレス耐性のある人。
ディーフォーディーアール 藤元健太郎
藤元:確かに自社で新卒採用の手間とコストを考えると、間違いなく優秀で社会人としての教育もされている魅力的な人材を効率的に確保できそうですね。
鳥山:有名大学の学生は、新卒の時にベンチャーに関心を持たなくても、2~3年仕事をするとその魅力が見えてくるのでしょう。
<第1回 了>
> 第2回 求む「起業して失敗した人」
スピーカープロフィール
森 祐治
電通コンサルティング 取締役・シニアディレクター
国際基督教大学(ICU)教養学部卒業後、日本電信電話を経てICU大学院博士前期課程修了。同大の助手を経て、Golden Gate University, Graduate School of Technology Management(MBA)及びNew York University, Steinhardt School (Ph.D)へ奨学生として留学。早稲田大学大学院国際情報通信研究科博士後期課程単位取得修了。)
米国滞在中にベンチャー創業・売却を経験。日米のマイクロソフトを経て、マッキンゼー・アンド・カンパニーへ。その後、コンテンツ投資・プロデュース、国際展開支援を行うシンクの代表に転ずる。設立したファンドの償還に伴い、電通コンサルティングに参加。クライアントサービス全体を統括している。
鳥山 正博
立命館大学 教授
マーケティング / マーケティング・リサーチ / 商品開発
国際基督教大学卒(1983)、ノースウェスタン大学ケロッグ校MBA (1988)、東京工業大学大学院修了、工学博士(2009)。1983より2011まで(株)野村総合研究所にて経営コンサルティングに従事。 業種は製薬・自動車・小売・メディア・エンタテインメント・通信・金融等と幅広く、マーケティング戦略・組織を中心にコンサルテーションを行う。とりわけテクノロジーベースのマーケティングイノベーションと新マーケティングリサーチインフラの構築が関心領域。マーケティングリサーチ・メディア・小売領域でビジネスモデル特許出願多数。
藤元健太郎
ディーフォーディーアール 代表取締役
1993年からインターネットビジネスの研究を開始し,1994年に野村総合研究所で日本最初のサイバービジネス実験サイトであるサイバービジネスパークをトータルプロデューサーとして立ち上げた。2002年からD4DRを立ち上げ代表に就任。ITによる社会システム革新やマーケティングイノベーションに関わる多くのプロジェクトに関わる。最近では行動情報マーケティング,オムニチャネル戦略などをテーマにしたものが多い。青山学院大学大学院EMBA非常勤講師,経済産業省産業構造審議会情報経済分科会委員なども歴任。現在日経MJや日経電子版で奔流eビジネス,CMO戦略企画室などを連載中。
伊藤文隆
アクシスコンサルティング株式会社 エグゼクティブコンサルタント/執行役員
製造業で営業・企画・ブランドマネジメント・事業部マネジメント等を10年経験した後、コンサルティング業界に特化した人材紹介会社の立上げに参画。アクシスコンサルティング入社後も引き続きコンサルティング業界を中心としたキャリア支援に強みを持ち、特にマネージャ~パートナークラスの転職サポート実績が豊富。過去に転職サポートした方からの求人依頼も多く、独自のネットワークを築いており、コンサルティング業界からのEXITにも強みを持つ。
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プロフィール
森 祐治
電通コンサルティング 取締役・シニアディレクター
国際基督教大学(ICU)教養学部卒業後、日本電信電話を経てICU大学院博士前期課程修了。同大の助手を経て、Golden Gate University, Graduate School of Technology Management(MBA)及びNew York University, Steinhardt School (Ph.D)へ奨学生として留学。早稲田大学大学院国際情報通信研究科博士後期課程単位取得修了。)
米国滞在中にベンチャー創業・売却を経験。日米のマイクロソフトを経て、マッキンゼー・アンド・カンパニーへ。その後、コンテンツ投資・プロデュース、国際展開支援を行うシンクの代表に転ずる。設立したファンドの償還に伴い、電通コンサルティングに参加。クライアントサービス全体を統括している。
鳥山 正博
立命館大学 教授
マーケティング / マーケティング・リサーチ / 商品開発
国際基督教大学卒(1983)、ノースウェスタン大学ケロッグ校MBA (1988)、東京工業大学大学院修了、工学博士(2009)。1983より2011まで(株)野村総合研究所にて経営コンサルティングに従事。 業種は製薬・自動車・小売・メディア・エンタテインメント・通信・金融等と幅広く、マーケティング戦略・組織を中心にコンサルテーションを行う。とりわけテクノロジーベースのマーケティングイノベーションと新マーケティングリサーチインフラの構築が関心領域。マーケティングリサーチ・メディア・小売領域でビジネスモデル特許出願多数。
藤元健太郎
1993年からインターネットビジネスの研究を開始し,1994年に野村総合研究所で日本最初のサイバービジネス実験サイトであるサイバービジネスパークをトータルプロデューサーとして立ち上げた。2002年からD4DRを立ち上げ代表に就任。ITによる社会システム革新やマーケティングイノベーションに関わる多くのプロジェクトに関わる。最近では行動情報マーケティング,オムニチャネル戦略などをテーマにしたものが多い。青山学院大学大学院EMBA非常勤講師,経済産業省産業構造審議会情報経済分科会委員なども歴任。現在日経MJや日経電子版で奔流eビジネス,CMO戦略企画室などを連載中。
伊藤文隆
アクシスコンサルティング株式会社 エグゼクティブコンサルタント/執行役員
製造業で営業・企画・ブランドマネジメント・事業部マネジメント等を10年経験した後、コンサルティング業界に特化した人材紹介会社の立上げに参画。アクシスコンサルティング入社後も引き続きコンサルティング業界を中心としたキャリア支援に強みを持ち、特にマネージャ~パートナークラスの転職サポート実績が豊富。過去に転職サポートした方からの求人依頼も多く、独自のネットワークを築いており、コンサルティング業界からのEXITにも強みを持つ。
www.kwlabo.com
プロフィール
森 祐治
電通コンサルティング 取締役・シニアディレクター
国際基督教大学(ICU)教養学部卒業後、日本電信電話を経てICU大学院博士前期課程修了。同大の助手を経て、Golden Gate University, Graduate School of Technology Management(MBA)及びNew York University, Steinhardt School (Ph.D)へ奨学生として留学。早稲田大学大学院国際情報通信研究科博士後期課程単位取得修了)
米国滞在中にベンチャー創業・売却を経験。日米のマイクロソフトを経て、マッキンゼー・アンド・カンパニーへ。その後、コンテンツ投資・プロデュース、国際展開支援を行うシンクの代表に転ずる。設立したファンドの償還に伴い、電通コンサルティングに参加。クライアントサービス全体を統括している。
鳥山 正博
立命館大学 教授
マーケティング / マーケティング・リサーチ / 商品開発
国際基督教大学卒(1983)、ノースウェスタン大学ケロッグ校MBA (1988)、東京工業大学大学院修了、工学博士(2009)。1983より2011まで(株)野村総合研究所にて経営コンサルティングに従事。 業種は製薬・自動車・小売・メディア・エンタテインメント・通信・金融等と幅広く、マーケティング戦略・組織を中心にコンサルテーションを行う。とりわけテクノロジーベースのマーケティングイノベーションと新マーケティングリサーチインフラの構築が関心領域。マーケティングリサーチ・メディア・小売領域でビジネスモデル特許出願多数。
藤元健太郎
1993年からインターネットビジネスの研究を開始し,1994年に野村総合研究所で日本最初のサイバービジネス実験サイトであるサイバービジネスパークをトータルプロデューサーとして立ち上げた。2002年からD4DRを立ち上げ代表に就任。ITによる社会システム革新やマーケティングイノベーションに関わる多くのプロジェクトに関わる。最近では行動情報マーケティング,オムニチャネル戦略などをテーマにしたものが多い。青山学院大学大学院EMBA非常勤講師,経済産業省産業構造審議会情報経済分科会委員なども歴任。現在日経MJや日経電子版で奔流eビジネス,CMO戦略企画室などを連載中。
伊藤文隆
アクシスコンサルティング株式会社 エグゼクティブコンサルタント/執行役員
製造業で営業・企画・ブランドマネジメント・事業部マネジメント等を10年経験した後、コンサルティング業界に特化した人材紹介会社の立上げに参画。アクシスコンサルティング入社後も引き続きコンサルティング業界を中心としたキャリア支援に強みを持ち、特にマネージャ~パートナークラスの転職サポート実績が豊富。過去に転職サポートした方からの求人依頼も多く、独自のネットワークを築いており、コンサルティング業界からのEXITにも強みを持つ。
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森 祐治
電通コンサルティング 取締役・シニアディレクター
国際基督教大学(ICU)教養学部卒業後、日本電信電話を経てICU大学院博士前期課程修了。同大の助手を経て、Golden Gate University, Graduate School of Technology Management(MBA)及びNew York University, Steinhardt School (Ph.D)へ奨学生として留学。早稲田大学大学院国際情報通信研究科博士後期課程単位取得修了。)
米国滞在中にベンチャー創業・売却を経験。日米のマイクロソフトを経て、マッキンゼー・アンド・カンパニーへ。その後、コンテンツ投資・プロデュース、国際展開支援を行うシンクの代表に転ずる。設立したファンドの償還に伴い、電通コンサルティングに参加。クライアントサービス全体を統括している。
鳥山 正博
立命館大学 教授
マーケティング / マーケティング・リサーチ / 商品開発
国際基督教大学卒(1983)、ノースウェスタン大学ケロッグ校MBA (1988)、東京工業大学大学院修了、工学博士(2009)。1983より2011まで(株)野村総合研究所にて経営コンサルティングに従事。 業種は製薬・自動車・小売・メディア・エンタテインメント・通信・金融等と幅広く、マーケティング戦略・組織を中心にコンサルテーションを行う。とりわけテクノロジーベースのマーケティングイノベーションと新マーケティングリサーチインフラの構築が関心領域。マーケティングリサーチ・メディア・小売領域でビジネスモデル特許出願多数。
藤元健太郎
1993年からインターネットビジネスの研究を開始し,1994年に野村総合研究所で日本最初のサイバービジネス実験サイトであるサイバービジネスパークをトータルプロデューサーとして立ち上げた。2002年からD4DRを立ち上げ代表に就任。ITによる社会システム革新やマーケティングイノベーションに関わる多くのプロジェクトに関わる。最近では行動情報マーケティング,オムニチャネル戦略などをテーマにしたものが多い。青山学院大学大学院EMBA非常勤講師,経済産業省産業構造審議会情報経済分科会委員なども歴任。現在日経MJや日経電子版で奔流eビジネス,CMO戦略企画室などを連載中。
伊藤文隆
アクシスコンサルティング株式会社 エグゼクティブコンサルタント/執行役員
製造業で営業・企画・ブランドマネジメント・事業部マネジメント等を10年経験した後、コンサルティング業界に特化した人材紹介会社の立上げに参画。アクシスコンサルティング入社後も引き続きコンサルティング業界を中心としたキャリア支援に強みを持ち、特にマネージャ~パートナークラスの転職サポート実績が豊富。過去に転職サポートした方からの求人依頼も多く、独自のネットワークを築いており、コンサルティング業界からのEXITにも強みを持つ。

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森 祐治
電通コンサルティング 取締役・シニアディレクター
国際基督教大学(ICU)教養学部卒業後、日本電信電話を経てICU大学院博士前期課程修了。同大の助手を経て、Golden Gate University, Graduate School of Technology Management(MBA)及びNew York University, Steinhardt School (Ph.D)へ奨学生として留学。早稲田大学大学院国際情報通信研究科博士後期課程単位取得修了)
米国滞在中にベンチャー創業・売却を経験。日米のマイクロソフトを経て、マッキンゼー・アンド・カンパニーへ。その後、コンテンツ投資・プロデュース、国際展開支援を行うシンクの代表に転ずる。設立したファンドの償還に伴い、電通コンサルティングに参加。クライアントサービス全体を統括している。


鳥山 正博
立命館大学 教授
マーケティング / マーケティング・リサーチ / 商品開発
国際基督教大学卒(1983)、ノースウェスタン大学ケロッグ校MBA (1988)、東京工業大学大学院修了、工学博士(2009)。1983より2011まで(株)野村総合研究所にて経営コンサルティングに従事。 業種は製薬・自動車・小売・メディア・エンタテインメント・通信・金融等と幅広く、マーケティング戦略・組織を中心にコンサルテーションを行う。とりわけテクノロジーベースのマーケティングイノベーションと新マーケティングリサーチインフラの構築が関心領域。マーケティングリサーチ・メディア・小売領域でビジネスモデル特許出願多数。


藤元健太郎
1993年からインターネットビジネスの研究を開始し,1994年に野村総合研究所で日本最初のサイバービジネス実験サイトであるサイバービジネスパークをトータルプロデューサーとして立ち上げた。2002年からD4DRを立ち上げ代表に就任。ITによる社会システム革新やマーケティングイノベーションに関わる多くのプロジェクトに関わる。最近では行動情報マーケティング,オムニチャネル戦略などをテーマにしたものが多い。青山学院大学大学院EMBA非常勤講師,経済産業省産業構造審議会情報経済分科会委員なども歴任。現在日経MJや日経電子版で奔流eビジネス,CMO戦略企画室などを連載中。


伊藤文隆 
アクシスコンサルティング株式会社 エグゼクティブコンサルタント/執行役員
製造業で営業・企画・ブランドマネジメント・事業部マネジメント等を10年経験した後、コンサルティング業界に特化した人材紹介会社の立上げに参画。アクシスコンサルティング入社後も引き続きコンサルティング業界を中心としたキャリア支援に強みを持ち、特にマネージャ~パートナークラスの転職サポート実績が豊富。過去に転職サポートした方からの求人依頼も多く、独自のネットワークを築いており、コンサルティング業界からのEXITにも強みを持つ。

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